NPO設立趣意書

特定非営利活動法人 科学技術者フォーラム設立趣旨書

 20世紀後半から日本の産業は世界に誇れる技術立国として大きな成長を遂 げてきた。これを支えてきたのは多くの科学者、技術者である。しかし、バブル崩壊以降この多くの科学者、技術者が定年を迎え、まだその専門性が発揮できる能力があるにも拘わらず退職を余儀なくされ、その高い専門性を社会に役立てることができない中高年の科学者、技術者が多数存在するようになった。
とくに、所属していた組織から一度離れると持っている専門性を活用できる場を探すことが困難となり、そのまま陳腐化してしまうことが多い。
 そのため、平成10年組織OBと現役の科学者、技術者が組織の枠を超えて集い、「科学技術者フォーラム」を設立した。
 その設立の目的は「会員相互の交流・協同により科学及び技術の分野において、会員の知的資源を活用し、広く社会一般に協力、提言、支援を行い、科学及び技術の水準の維持・向上、次世代を担う人材の育成・開発に尽力し、もっ て社会教育、環境の保全、国際協力などの公益の増進に寄与し、併せて自己及び相互の研鑽により会員の自己実現を図ることを目的とする。」であった。
 以来、10年間活動を続け、会員交流会、視察研修会、国際交流さらには工業展示会出展など活発な活動を行ってきた。現在、約170名の会員を擁する団体にまで成長した。これは組織を離れた科学者、技術者にとって自由に協同や協力できる組織が必要であることを物語っている。今後、さらに組織から離れる団塊の世代の科学者、技術者にとって、このような組織は社会的に必要な受け皿になるものと考える。
 我々は、今後はこの理念をさらに発展させ、科学技術分野の多くの方々に呼びかけ、組織をより活性化、専門化して、技術支援、社会教育、環境の保全や 国際協力等において、社会の公益に役立つ組織となることを目標としたい。
 ここに、発足10周年にあたり、特定非営利活動法人の認証を受けて責任ある法人として社会に貢献することを目的とした特定非営利活動法人「科学技術者フォーラム」を設立する。

 

平成19年9月29日
特定非営利活動法人 科学技術者フォーラム 理事長 矢崎文彦