2026年02月度セミナー ♯269
『壊れる化学』と『生まれ変わる化学』
―高分子表面で何が起きているのか―
2026年 02月 21日『壊れる化学』と『生まれ変わる化学』
―高分子表面で何が起きているのか―
群馬大学 名誉教授
クレスール株式会社 CTO
マテリアルライフ学会会⾧
黒田 真一 氏
高分子材料は、光、酸素、熱などの作用によって“壊れる”ことで劣化が進みます。一方で、常温常圧プラズマやUV照射を用いた表面処理では、同じラジカル反応を“制御”することで材料表面に新たな機能を付与できます。
本講演では、材料表面で生じる「壊れる化学」と「生まれ変わる化学」の共通性に着目し、高分子材料における光劣化機構からプラズマ表面改質、グラフト反応に至るまで、反応メカニズムを体系的に解説します。長年にわたり高分子の光劣化と表面化学を研究されてきた黒田先生より、基礎から最新成果までをわかりやすく紹介していただきます。
1.日時 : 2026年2月21日(土)14 : 00~16 : 45
2.会場 : 品川区総合区民センター(きゅりあん)5F 第4講習室
JR 大井町駅東口前 https://www.shinagawa-culture.or.jp/curian/access.html
☆ WEB(ZOOM オンライン)参加も可能です(正会員に限る)。。
3.講演概要 :
高分子の光劣化は、励起状態の生成、ラジカル発生、酸化反応といった基本的な化学に基づいて起こります。これは、常温常圧プラズマやUV光による表面官能基導入、グラフト反応などの表面改質にも共通する反応であり、材料の最表面で生じる微細な化学が、材料性能を大きく左右します。
本講演では、以下の内容について解説します:
•高分子光劣化の基礎と反応機構
•アセトン/水系など光増感反応の特徴
•常温常圧プラズマにより生成する活性種と表面酸化
•PE・PP・PTFE などの高分子に対する表面改質・グラフト事例
•劣化と機能化をつなぐ「統合的なラジカル化学」の視点
「壊れる化学」を理解することで「生まれ変わる化学」が見えてくる—そんな表面化学の奥深さを、基礎から応用まで幅広く紹介します。
4.講師略歴 :
1985年 東京大学大学院工学系研究科修士課程修了(工学修士)。
1988年 同博士課程単位取得満期退学。11月に工学博士(東京大学)取得。
同年より群馬大学工学部助手として高分子材料の劣化・表面化学・機能性材料開発の研究に従事。
その後、助教授、准教授、教授を歴任し、2023年3月定年退職。群馬大学 名誉教授。
2008年よりクレスール株式会社 CTOを務め、常温常圧プラズマや光を用いた材料機能化技術の研究開発を推進。
2015年よりマテリアルライフ学会会長、ISO/TC61/ SC6 代表委員。
【主な研究論文・出版物】:
・researchmap を参照(https://researchmap.jp/kuroda_shinichi)
・黒田真一 “光化学再入門-光劣化反応の理解のために”, マテリアルライフ学会誌, 17 (4), 119-120 (2005), doi: 10.11338/mls2001.17.119
・黒田真一 “高分子材料の劣化”, 化学と教育, 60 (12), 506-510 (2012), doi: 10.20665/kakyoshi.60.12_506
・黒田真一 “プラスチックフィルムの表面処理・改質技術”, Electric Journal Archives No. 62, ㈱電子ジャーナル, 東京 (2010)
【主な受賞歴】:
2000年 群馬県環境功績賞(フロン分解技術)
2005年 マテリアルライフ学会論文賞
2010年 マテリアルライフ学会論文賞
2022年 ぐんまテックグランプリ しののめ信金賞
5.参加費 :
•STF 正会員(会場参加): 無料
•STF 正会員(WEB 参加): 無料(要申込
※2 web参加ポリシー確認の事
•友好団体会員/メンバー員(会場/WEB): 1,000 円
異普奇会、 経営支援 NPO クラブ、 小石川後楽園庭園保存会、 J-SCSORE、次世代農業フォーラム、 シニアエキスパートフォーラム(SEF)、テクノメイトコープ(TMC)、BCC-NET、 表界研 など
•学生、当セミナー元講師、一般(会場のみ): 1,000 円
※1 支払い方法 : 会場受付にてお支払い下さい。
※2 web 参加ポリシー https://stf.or.jp/top/images/file/m750.pdf
6.参加申込の方法 : 定員54 名、期限内に下記URL からお申し込みください。
https://stf.or.jp/top/event/order_01.php?event_num=904&ordercate=cate01
•申込確認ができた方へは、順次受付メールを送ります。
•手元資料やZOOM のURL、パスコードなどは、開催前日(2/20(金))までにメール配信します。
※ 講演中の画面撮影や録音などは、ご遠慮願います。
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NPO 法人 科学技術者フォーラム(STF)
2 月度セミナー担当 : 佐熊 範和
E-mail: kumasan-pp@jcom.home.ne.jp Mobile: 090-1995-5570
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