2024年12月度セミナー#260 「日本庭園の抽象化プロセス」
2024年 10月 27日科学技術者フォーラム(STF) 2024年11月度セミナー(第260回)のご案内
https://stf.or.jp/top/images/file/m680.pdf
「日本庭園の抽象化プロセス」 参加申込:https://peatix.com/event/4182782/
日本庭園研究家 中田 勝康 氏
本年9月のSTFセミナー『【パラダイムシフト】で読み解く日本庭園~象徴庭園から抽象庭園への変遷~』https://stf.or.jp/top/infodetail.php?SN=818&page=1&cate=cate05
のお話しは、残念ならが時間切れで終わってしまいました。
参加された多くの方々から大変好評で、是非続きを伺いたいとの要望があり、今度は次の内容でお話し頂くことになりました。前回、聴講されなかった方々も奮ってご参加ください。
1.日時:2024年12月7日(土)14:00~16:45
2.会場:品川区総合区民センター(きゅりあん)5F 第4講習室
JR大井町駅東口前 https://www.shinagawa-culture.or.jp/curian/access.html
☆ WEB(ZOOMオンライン)参加も可能です。
3.講演概要:
【1部】
「パラダイムシフト」で読み解く日本庭園の趣旨に沿って、古代から現代までを価値観の変動するごとに、時代背景を多少記し、その時代を画する庭園を示す。すなわち「神仙蓬莱」・「極楽浄土」・「臨済宗・「水墨画」・「新しい造形の萌芽」・「ルネサンス様式」・「浄土真宗」「儒教」・「自然主義」が、超大国中国やポルトガル・スペイン・欧米から新しい思想体系がもたらされた。これらの価値観がもたらされると、造形はその都度変化し日本化した。現在の目から評価すると、因習にとらわれた価値基準で作庭された要素もある。しかし、日本庭園は教理をそのまま写しつつも、次第に取捨選択し、抽象化に向かった要素も否めない。
【2部】
ここでは「抽象化」の視点で、時代の変化による抽象化の進展内容を検証する。特に護岸様式を時系列で検証すると、室町時代末期になると、池庭庭園は水利が恵まれているにもかかわらず、池泉庭園の形式を保ちつつ、涸れ山水庭園(敢えて水のない池)が発生してきた。それと軌を一にするかのように、枯滝などが発生し、更に不思議なことに立石の造形が散見されるようになる。石組みの発生は徐々にはであるが、護岸機能の目的でなく、人工造形の面白さの発見と言える。ここまで達すると天然の水ではなく、人為的な水、即ち「白砂」を使った造形が、自然風景と拮抗することで、より美しい造形に昇華されることを会得した。土地もない、水もない、丘陵地も無しい、資金もない。これは「応仁の乱」が原因ではなかろうか。この条件下で金地院庭園が生まれた。奥行きのない場所には池は作れない、その代わり白砂を、海洋と見立てた。その結果、神仙蓬莱島は護岸の無い鶴亀島なり、護岸石組はなくても、島の中に石組みが「てんこ盛り」だ。これを発展させると、重森の東福寺本坊になった。
従来、庭とは「池泉庭園」であったが、自然の真っただ中に、自然風景の真似をしても、創作活動にならない。水の代わりに白砂を、山の代わりに石組みを、決まりきったテーマである、鶴亀、極楽、龍門瀑の代わりに自由な造形の方が興味深いことが解ってきた、と考えられる。今回は「芸術とは」・「抽象とは」の文献として、岡本太郎・重森三玲・千利休の「作庭論」「いけばな論」を引用しながら、平坦部の抽象枯山水庭園、石組み構成美庭園、過去の尾名庭を照合し、抽象庭園の造形や意味を共有したい。言い換えるならば、「自然を一度解体して、作者による新しい造景を再構築」することである。造園や「いけばな」のように造形物が自然に近い分野の創作活動は、素材は自然であっても、造形は自然を超えたものにする必要がある。出来上がった造形物に感動を覚える理由は、生の自然の美しさにあるのではなく、その造形物に創造性があるからである。最後に庭園評価基準の考え方を文字・図式・具体的庭園を表示する。
4.講師略歴:
①1941年生まれ、重森三玲氏に心酔。重森庭園の文化財指定に熱意 名勝 2 庭(東福寺・岸和田城)、登録記念物(高野山など 13 庭)
②古庭園の復元: 金地院・福田寺・旧徳島城表御殿
③重森三玲の襖絵の仮想復元: 小河氏・村上氏・越智氏など
④テーマの発見: 【栗林公園(小普陀)・保国寺&徳島城( 龍門瀑) 】
⑤写真提供:サライ「日本の庭」完全ガイド、平凡社
⑥講演会: 京都大学大学院・各地教育委員会約 15 回(名勝・登録の指定時)
⑦NHK 教養講座(オンライン) 講演会のテーマ:「日本庭園が芸術であるためには」
⑧主な著書:『重森三玲庭園の全貌』・『全貌・日本庭園』
5.参加費:事前にPeatix(WEBチケット)でお求め下さい。
・ STF正会員(WEB参加): 500円
・ STF正会員(会場参加): 無料(要申込)
異普奇会、 経営支援NPOクラブ、 小石川後楽園庭園保存会、 1,000円
J-SCORE、次世代農業フォーラム、シニアエキスパートフォーラム(SEF)、
テクノメイトコープ(TMC)、BCC-NET、 表界研 など
・ 学生、講師関係者、当セミナー元講師:(会場/WEB): 1,000円
・ 一 般(会場/WEB): 1,500円
【Peatixの利用法】 https://stf.or.jp/top/images/file/m517.pdf
上記URLを参照しアカウント取得(登録)の手続きをした上でお申込み下さい。
パスワードを忘れた方 ⇒ https://stf.or.jp/top/images/file/m631.pdf
Peatixの利用ができない(or操作不明な)方は、担当までご相談下さい。
6.セミナー参加申込 :期限内に下記URLからお申し込みください。
https://peatix.com/event/4182782/
・ 事前申込ない方の当日の会場(飛び込み)参加はできません。
・ 申込締切:クレジットカード払いの場合、12月4日(水)24時、コンビニ/ATM (ゆうちょ銀行、ペイジーなど)払い〔手数料ご負担下さい〕の場合、5日(火)。
・ 参加申込が確認され次第、順次、受付メールを送ります。また、ZOOM ミーティングのURL、パスコード、手元資料などは前日6日(金)までに事務局から配信されます。
・ 領収書の必要な方 ⇒ https://stf.or.jp/top/images/file/m380.pdf
※ 講演中の画面撮影や録音などは、ご遠慮願います。
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NPO 科学技術者フォーラム(STF)
セミナー担当 山岸 任
E-mail jiny@sf6.so-net.ne.jp
Mobile 080-5511-1380
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