2024 年9月度セミナー#257「【パラダイムシフト】で読み解く日本庭園~象徴庭園から抽象庭園への変遷~」(改)
2024年 07月 15日科学技術者フォーラム(STF) 2024 年 9 月度セミナー(第 257 回)のご案内(改)
https://stf.or.jp/top/images/file/m659.pdf
【パラダイムシフト】で読み解く日本庭園
~象徴庭園から抽象庭園への変遷~
日本庭園文化研究家 中田 勝康 氏 参加申込 ⇒ https://peatix.com/event/4058107/
四季の移ろいがはっきりしている日本には、昔から貴族、皇族、武家達が、また地域ごとの
神社、仏閣に自然を奏でるための庭園、いわゆる日本庭園があり、今日に至っています。
中田氏は定年に至って、元々興味あった日本庭園について本格的に師匠に教えを乞い、それらを纏めて今まで本を2冊出版しました。最近では、日本庭園の歴史を紐解くうちに新しい発見もあったとの事です。その辺りも含めてお話し頂きます。
1.日時:2024年9月14日(土)14:00~16:45
2.会場:品川区総合区民センター(きゅりあん)5F 第3講習室
JR大井町駅東口前 https://www.shinagawa-culture.or.jp/curian/access.html
☆ WEB(ZOOMオンライン)参加も可能です。
3.講演概要:
「パラダイムシフト」とは、各時代の規範が大きく変化する内容を時代変化の胎動の時期から読み起こし、やや遅れて生じる庭園の変化を記述します。日本庭園は世界的に見ても異色の芸術分野と思われます。つまり「自然石を再配置して芸術を構成する」、言わば「路傍の石が芸術に昇華される」。この難解な問題に日本人は挑戦し続けてきた。しかし芸術というソフトな情報は脆いもので、一朝に完成しないのですが、伝統が途絶えてしまうと伝統の継承は困難である。
庭園芸術を守ることは、作庭者の養成のみならず、鑑賞者の鑑識眼の維持発展が必要である。伝統芸術は同じものを作ることではなく、新しい伝統を作り続けることである。それには作庭者のみならず、鑑賞者の我々の鑑識眼も時代に即した芸術を要求しなければならない、と思う。なお、講演内容は庭園芸術が対象ですが、論旨は理論的構成に心掛け、動画など三次元デジタルデーターなど最新の技術を用いた。以下主な内容は、
(1)「水墨画への憧憬」が日本庭園を立体造形化させた
庭園の立体造形化は夢窓国師や足利義満により一応できていた。と言うのは、西芳寺や天龍寺の龍門瀑は傾斜地に作られ、金閣寺では水墨画に倣って峩々たる巌を芦原島の護岸に作った。これらの造形は結果的に立体造形になったのである。
雪舟は「四季山水図」(山水長巻・山水小巻)では、二次元の水墨画で遠方に小さな楼閣、山並みを暈して描き、更には奥まで続く小径や迫り出した岩盤による錯覚効果で三次元化した。一方、常栄寺庭園では平坦部に立石を独立して建て、更に四次元とも言うべき二段構えのステージに石組(地割)を完成させた織田信長は岐阜城で張り出した巌を、鑿で弓なり状に穿ち、更には巨大な岩盤から滝を落とし、小さな水墨画見立ての領域を超えた、現代的なプロデューサーとも言える。大仙院(相阿弥)や退蔵院(狩野元信)庭園は水墨画写しだ。
(2)栗林公園「小普陀」の再発見で仏教の根本教理が庭園のテーマ
栗林公園内の「小普陀」は、将に世親によって記された「倶舎論」の「九山八海」を反映した、奇跡の庭である。これをテーマとした庭園は、平城宮の「東院」にはじまり、毛越寺、天龍寺、金閣寺、萬福寺、旧北畠氏館跡、旧久留島家庭園などの系譜の源淵を、そのまま形にした貴重な庭園だ。その源流は遠くインド南端に発し、中国の舟山諸島の補陀山を経由して、日本の和歌山の那智日光(補陀落渡海)や日光中禅寺にまで伝わる。これらの伝播経路を俯瞰的に見ると、達磨・法顕・三蔵法師・遣唐使・ザビエル・鉄砲伝来の経路と一致する。即ちシルクロードである。
今回の栗林公園の「小普陀」の再発見は、上記に示した庭園の系譜が「九山八海」に由来していることが確認され、写真による「九山八海」の証明と、三次元デジタル測定でも実証された。
4.講師略歴:
①1941年生まれ、重森三玲氏に心酔。重森庭園の文化財指定に熱意
名勝 2 庭(東福寺・岸和田城)、登録記念物(高野山など 13 庭)
②古庭園の復元: 金地院・福田寺・旧徳島城表御
③重森三玲の襖絵の仮想復元: 小河氏・村上氏・越智氏など
④テーマの発見: 【栗林公園(小普陀)・保国寺&徳島城( 龍門瀑) 】
⑤出版: 『重森三玲庭園の全貌』・『全貌・日本庭園』
⑥写真提供:サライ「日本の庭」完全ガイド、平凡社
⑦講演会: 京都大学大学院・各地教育委員会約 15 回(名勝・登録の指定時)
⑧NHK 教養講座(オンライン) 講演会のテーマは:「日本庭園が芸術であるためには」
5.参加費:事前に Peatix(WEB チケット)でお求め下さい。
・STF 正会員(WEB 参加): 500 円
・STF 正会員(会場参加): 無料(要申込)
・友好団体会員/メンバー(会場/WEB): 1,000 円
異普奇会、経営支援NPOクラブ、 サポート技術士センター、
次世代農業フォーラム、シニアエキスパートフォーラム(SEF)、
テクノメイトコープ(TMC)、 BCC-NET、 表界研 など
・学生、当セミナー元講師:(会場/WEB): 1,000 円
・一般(会場/WEB): 1,500 円
【Peatixの利用法】 https://stf.or.jp/top/images/file/m517.pdf
上記URL を参照し、アカウント取得(登録)の手続きをした上でお申込み下さい。
パスワードを忘れた方 ⇒ https://stf.or.jp/top/images/file/m631.pdf
なお、Peatix の利用ができない(or 操作不明な)方はまでご相談下さい。
6.参加申込の方法
‣期限内に下記 URL からお申し込みください。
https://peatix.com/event/4058107/
‣事前申込ない方の当日の会場(飛び込み)参加はできません。
‣申込締切:クレジットカード払いの場合、9月 11 日(水)24 時、
コンビニ/A TM (ゆうちょ銀行・ペイジーなど)払いの場合,10 日(火)〔手数料負担願います〕
‣申込確認ができた方へは、順次受付メールを送ります。また ZOOMミーティングのURL、パスコード、手元資料等の案内は前日 13 日(金)までに事務局からメール配信されます。
‣領収書の必要な方は、https://stf.or.jp/top/images/music/m380.pdf をご覧下さい。
※ 講演中の画面撮影や録音などは、ご遠慮願います。
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NPO法人 科学技術者フォーラム(STF)
9月度セミナー担当:山岸 任
E-mail: jiny@sf6.so-net.ne.jp
Mobile: 080-5511-1380
URL : https://stf.or.jp/
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