2024年7月度セミナー#255「エンドセリン遺伝子ファミリーの発見・機能解明・産業応用」
2024年 06月 16日科学技術者フォーラム(STF)2024年7月度セミナー(第255回)のご案内
「エンドセリン遺伝子ファミリーの発見・機能解明・産業応用」
https://stf.or.jp/top/images/file/m638.pdf
CROSS 総合科学研究機構・特任研究員、
バイオ技術教育学会・理事、芝浦工大・神奈川大 非常勤講師
博士(医学・農学)齊田 要 氏 参加申込 ⇒ https://peatix.com/event/4024909/
20世紀はバイオ技術により世界を変える発見が相次ぎました。今回は血管収縮ペプチドとして知られるエンドセリンファミリーについて長年研究されてこられた齊田先生より「新規な生体調節系の発見とその解析から産業化」へのお話を伺います。
ご関心・ご興味のある多くの方々の参加をお待ちしています。
1.日時:2024年7月27日(土)14:00~16:45
2.会場:品川区総合区民センター(きゅりあん)4F 第一特別講習室
JR大井町駅東口前 https://www.shinagawa-culture.or.jp/curian/access.html
☆ WEB(ZOOMオンライン)参加も可能です。
3.講演概要:
「21世紀はバイオの世紀」と言われ「バイオ技術が世界を変える」発見が続いている。遺伝子本体がDNAと判明し、2重らせん構造が解明(1953)され、分子生物学に発展し、バイオテクノロジー・生命工学の時代に突入し、驚くべき知見や技術の進展は、新しい産業分野を開きつつある。本講演ではバイオ技術を用いて筑波の国立研究所で行った研究の一例、「新規な生体調節系の発見・解明・産業化」を紹介する。
ヒトなど多細胞生物が、生命(調和のとれた集合体・系)として活動するためには、個々の細胞が情報交換しながら制御・統合されていることが必須です。生体の機能や情報伝達系の制御を担う分子を単離・同定し、それらの構造・機能、産生調節や制御系などを解明する研究は、生命システムの破綻の予防・修復(病気の診断・治療)に繋がるので、社会や産業や医療に大きな恩恵をもたらします。
演者は血管収縮ペプチドとして知られるEndothelin(ET1、Nature1988)をプローブとしバイオ技術を活用して、哺乳類のゲノムの解析から新規なシグナル分子VIC/ET2(エンドセリンに遺伝子ファミリー3種)を発見し、その機能を解析した。この分子は生理活性ペプチド(局所ホルモン)であり、生物活性として多様な機能(高血圧・血管収縮・腸管収縮・平滑筋収縮・分泌・細胞増殖・分化)を細胞膜受容体を介し、極微量で惹起する。この分子の過剰発現は高血圧やガンの原因になる。化学構造は蛇毒SRTXに酷似し、生体投与で急性の個体死を引き起こした。このシグナル分子の基本(物質)特許は実用化され、化学合成品が市販されている。この調節系(シグナル分子と受容体)遺伝子発現は消化管・脳・胎児・卵巣・皮膚などに見出され(ET1は血管内皮)、その機能(病態で発現昂進)や生合成経路を推定した。さらに産業化を目指し特許を取得し、「前駆体遺伝子の構造、発現、進化、産生、機能および制御」に関する研究で医博が授与された。この分子の発見(1988)は、相補鎖形成技術を活用して新規生体内ペプチドが発見された最初の例で、ヒトゲノムProject(完成2003)の有用性に繋がった。
ETファミリーの産業応用例として、化学品(合成ホルモン、検出・定量キット、抗体・阻害剤)、医薬品(高血圧治療薬、受容体拮抗薬、開発ベンチャーは3.6兆円でJ&JにM&A)、化粧品(美白)が実用化・市販されている。
最後に科学技術の教育・継承の重要性に関連して、バイオ技術者認定試験(バイオ技術教育学会主催、Biotechnologist養成)や、科学技術者が技術展開を総括し継承する一助として「定年退職後に博士号を取得する」支援制度を紹介する。
4.講師略歴:
群馬県生まれ。東京大学農学部農芸化学科卒業。通産省工業技術院微工研、生命工学研、UCLA医、米国衛生研究所NIH@MD、通産省基礎産業局生物化学産業課、国立研究開発法人・産業技術総合研究所、大学教員(連携大学院、神奈川大、芝浦工大、茨城大など)、バイオ技術教育学会・理事、筑波大人間総合科学研究科生命システム医学専攻、総合科学研究機構・特任研究員、(公)中小企業グローバル推進機構・専門家などを歴任。博士(農学、東大、1992)、博士(医学、筑大、2017)。
【専門分野】分子・細胞・生物学、遺伝子工学、農芸化学、バイオテクノロジー・ライフサイエンス。
【主な学協会等の活動歴】バイオ技術教育学会・理事。分子生物学会、生化学会、農芸化学会など。
【主な受賞歴】新技術開発財団・市村学術貢献賞受賞2003。生涯学習開発財団助成受賞2017。
【主な著書等】
・A Novel Peptide of a New (Endothelin) Peptide Family. Cloning, expression, activity, J.Biol.Chem,264,14613(1989)
・「社会に役立つ遺伝子の発見・解明・産業応用をシニアとして応援したい」、生涯学習財団情報誌。
・「バイオ技術者認定試験問題集(中級、上級)」、バイオ技術教育学会編(助言・監修)、つちや書店。
5.参加費: 事前にPeatix(WEBチケット)でお求め下さい。
・ STF正会員(WEB参加): 500円
・ STF正会員(会場参加): 無料(要申込)
・友好団体会員/メンバー(会場/WEB): 1,000円
異普奇会、経営支援NPOクラブ、小石川後楽園庭園保存会、
サポート技術士センター、次世代農業フォーラム、シニアエキスパートフォーラム
ティー・エム研究所、 テクノメイトコープ、 BCC-NET、表界研 など
・学生、当セミナー元講師:(会場/WEB): 1,000円
・一 般(会場/WEB): 1,500円
【Peatixの利用法】 https://stf.or.jp/top/images/file/m517.pdf
上記URLを参照し、アカウント取得(登録)の手続きをした上でお申し込み下さい。
パスワードを忘れた方 ⇒ https://stf.or.jp/top/images/file/m631.pdf
なお、Peatixの利用ができない(or操作不明な)方は担当までご相談下さい。
6. 参加申込の方法
・期限内に下記URLからお申し込みください。会場「無料」参加のSTF正会員も同様です。
https://peatix.com/event/4024909/
・事前申込ない方の当日の会場(飛び込み)参加はできません。
・申込締切:クレジットカード払い ⇒ 7月24日(水)24時、
コンビニ/ATM (ゆうちょ銀行・ペイジーなど)払い ⇒23日(火)〔手数料ご負担願います〕。
・申込の確認ができた方へは、順次受付メールを送ります。またZOOM ミーティングのURL、パスコード、手元資料等の案内は開催前日26日(金)までに事務局からメール配信されます。
・領収書が必要な方 ⇒ https://stf.or.jp/top/images/file/m380.pdf
※ 講演中の画面撮影や録音などは、ご遠慮願います。
*******************
NPO科学技術者フォーラム(STF)https://stf.or.jp/
7月度セミナー担当: 碇 貴臣
E-mail: takaikar@eos.ocn.ne.jp、
Mobile: 080-4215-8390
*******************