2024年6月度セミナー#254「新しい地質時代『人新世』を考える」
2024年 04月 22日科学技術者フォーラム(STF)2024年6月度セミナー(第254回)のご案内
「新しい地質時代『人新世』を考える」
https://stf.or.jp/top/images/file/m636.pdf
茨城大学 名誉教授
東京大学空間情報科学研究センター 客員研究員
理学博士 天野 一男 氏
地球は約46億年前に誕生し、原始生命は約35億年前に出現したといわれています。地球の歴史を1年に例えると、ヒトの出現は約4時間に相当し、18世紀の産業革命以降の時間はわずか1秒ほどに過ぎません。ヒトは地球のさまざまな資源を活用して発展してきましたが、新参者が自然の恵みを急激に消費し、地球の環境を変化させるほど規模の大きなものとなっています。
本セミナーでは、自然科学分野だけでなく、人文・社会科学やマスコミなど幅広い分野で注目されている『人新世』について、地質学がご専門の天野先生にお話を伺います。
1.日時:2024年6月22日(土)14:00~16:45
2.会場:品川区総合区民センター(きゅりあん)4F 第1特別講習室
JR大井町駅東口前 https://www.shinagawa-culture.or.jp/curian/access.html
☆ WEB(ZOOMオンライン)参加も可能です。
3.講演概要
人類が地球の環境に決定的な影響を及ぼしている時代として、新しい地質時代『人新世』が2000年にオランダのノーベル賞化学者のパウル・クルッツェンにより提唱された。人類の活動に基づく新しい年代を作ることは、近代地質学成立以来現在まで検討されてきた、地球史の年表(国際年代層序表)作成にとって斬新な出来事である。提案以来、地質学の専門分野に限らず人文科学・社会科学など広い分野で注目され、マスコミでも大きく取り上げられてきた。『人新世』と銘打った書籍も世界中で多数出版されており、社会の関心は非常に高い状況が続いてきた。
この提案に対して地球圏・生物圏国際共同研究計画(IGBP)で検討が続けられ、地質学的には国際地質科学連合(IUGS)の元に人新世作業部会(AWG)が 2009 年に設置され、検討が続けられた。その結果、2023 年 7 月に人新世を正式の地質年代とすることが AWGから提案された。この年代の開始の基準となる主な変動は、気候変動、絶滅危惧種の増加、土地利用の変化、化学物質の拡散、原水爆実験の影響による放射性核種の分布などとされた。これら人間活動が地球環境におよぼす影響の急増は1950年代で、グレート・アクセラレーション(大加速)と呼ばれた。最終的に人新世の開始を示す主なマーカーは、核実験に伴う放射性核種が急増する1950 年とされた。そして、時代の境界の模式地として、カナダのクロフォード湖が正式提案のための候補地とされた。
人新世が正式の地質時代として認定されるためにはさらに上位の委員会での賛成が必要であったが、2024 年 3 月に上位委員会で提案は否決された。本講演ではこの否決を受け、人新世の自然科学的・社会的意味を議論し、今後の展開についても考察したい。
4.講師略歴:
長野県松本市生まれ。1979年東北大学大学院理学研究科博士課程修了(理学博士)。
茨城大学理学部講師、助教授を経て、1993年茨城大学教授。2015年茨城大学名誉教授。
【専門分野】 構造地質学、環境地質学、文化地質学
【主な学協会等の活動】
日本地質学会・理事、日本ジオパーク学術支援連合・代表、
日本技術者教育認定機構・フェロー など
【主な著書】
「フィールドジオロジー入門」(共著)共立出版(2004), 「構造地質学」(共著)共立出版(2009),「はじめての地質学」(編著)ベレ出版(2017), 「茨城県北ジオブック」(共著)茨城新聞社(2022) など
5.参加費: 事前にPeatix(WEBチケット)でお求め下さい。
・ STF正会員(WEB参加): 500円
・ STF正会員(会場参加): 無料(要申込)
・友好団体会員/メンバー(会場/WEB): 1,000円
異普奇会、経営支援NPOクラブ、小石川後楽園庭園保存会、
サポート技術士センター、次世代農業フォーラム、シニアエキスパートフォーラム、
ティー・エム研究所、テクノメイトコープ、 BCC-NET、 表界研 など
・学生、当セミナー元講師:(会場/WEB): 1,000円
・一 般(会場/WEB): 1,500円
【Peatixの利用法】https://stf.or.jp/top/images/file/m517.pdf
上記URLを参照し、アカウント取得(登録)の手続きをした上でお申し込み下さい。
なお、Peatixの利用ができない(or操作不明な)方は担当までご相談下さい。
6. 参加申込の方法
・期限内に下記URLからお申し込みください。会場「無料」参加のSTF正会員も同様です。
https://peatix.com/event/3926229/
・事前申込ない方の当日の会場(飛び込み)参加はできません。
・申込締切:クレジットカード払い=6月19日(水)24時、
コンビニ/ATM (ゆうちょ銀行・ペイジーなど)払い〔手数料負担願います〕=18日(火)
・申込の確認ができた方へは、順次受付メールを送ります。またZOOM ミーティングのURL、パスコード、手元資料等の案内は開催前日21日(金)までに事務局からメール配信されます。
・領収書が必要な場合 ⇒https://stf.or.jp/top/images/file/m380.pdf
※ 講演中の画面撮影や録音などは、ご遠慮願います。
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NPO科学技術者フォーラム(STF)https://stf.or.jp/
6月度セミナー担当 太田 哲夫
E-mail: futotetsu@gmail.com
Mobile: 080-5883-3000
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