第142回STF交流会報告(2023年7月度)
2023年 07月 25日第142回STF交流会報告
2023年7月15日(土)14:45~16:45
品川区立総合区民会館 きゅりあん4階研修室にて開催
参加者:計22名 (会場参加 18名、Web参加 4名)
1.「「仕事は楽しく、人生に金メダル」」
【演者】木村 新次 氏(STF会員)
多岐に渡る経験から新会社を立ち上げ、その会社での業務を紹介すると同時に、自社商品も紹介しながら食の領域へもチャレンジしていることを、具体的に事業の取組を紹介した。
お客様に喜ばれる大切さを感じているとの言葉が印象的だった。
(1)全力で35年にわたって、物作りの会社を運営してきた。
(2)板金の端材の活用を思いつき、3千種類くらいの作品を制作販売した。
(3)会社も大きくなったが組織が拡大すると意思疎通も円滑にゆかない面が出てきた。また会社の事業も成長が続かなくなり、最終的に会社を手放した。
(4)会社を手放して、自由になり、今までやれなかったことをやろうと考えて、ネットで作品を販売する事業や、作品作りの教室を開いた。
(5)人に喜ばれる仕事は大変楽しくやりがいがある。人との関係により、人に喜んでもらえることが自分に合っていると実感している。
<質疑応答>
・人に今の自分を語れることが素晴らしい。金メダルの目標は何か?
⇒自分の作った物で喜んでもらえること、世界で売れることである。
・現役でやり直した人の話を聞くのは大変ありがたい。
⇒仕事は楽しいと思わなければ長続きしない。
2.「省エネの実際」
【演者】木村 芳一 氏(STF会員)
横浜市の中小企業に対し、省エネという点で関与してきたので、その省エネの状況を解説し、各種機器の省エネ技術、省エネに対する取組み、今後の動向等を中心に話題提供した。
(1)日本は省エネに関しては相当進んでいるものの、まだ化石エネルギーに依存する割合が大変高いのが実情である。
(2)これまで省エネが難しかったあらゆる分野での中小企業等の省エネ活動を強力に推進する必要がある。
(3)省エネの役割としては、エネルギーの有効利用、地球温暖化対策、経済的な特長、即ち、省エネに優れる商品(例えば、低燃費自動車や 省エネ型LED照明)およびサービス(生産活動)の提供、さらに 企業の社会的貢献が実現される。
(4)各機器の省エネ技術として、中小企業で問題となるような、ポンプ、コンプレッサー、空調機器、換気装置、給湯装置、冷凍冷蔵設備、
照明装置についての省エネ技術と省エネ対策について概観する。
(5)回転型のポンプ、コンプレッサーの流量制御は、インバータ等による電動機の回転数変化による方法が省エネとなる。
(6)空調機器はヒートポンプの利用がポイントであり、ヒートポンプは 投入エネルギーの数倍のエネルギーでの熱の移動を可能にする。
(7)換気装置は熱交換型(例:ロスナイエレメント)が好ましい。
(8)ガス中の熱を有効利用する潜熱回収型のガス炊きの“エコジョーズ”およびCO2冷媒ヒートポンプを利用する“エコキュート”が省エネに効果的である。
(9)ヒートポンプは冷媒がポイントであり、蒸発潜熱が大きい、化学安定性が高い、毒性がない、安価で環境に影響を及ぼさない冷媒が必要特性が重要である。
(10)LED照明装置はエネルギー変換効率が40~50%と高効率である。
(11)省エネ対策としてはデマンドコントロールシステムにより、需要電力の目標値を設定して電気機器の使用を管理し、契約電力の減少を可能とする。管理は自動あるいは警報に基づき手動で制御する方法がある。
(12)省エネの進め方のPDCAサイクルの構築が必要である。
(13)省エネに優れた製品は日本の産業の牽引になる。
<質疑応答>
・日本ではメタンハイドレードがあるが、これに対する見解は?
⇒期待されているが採掘コストが高い、CO2排出するという課題もある。
・電気自動車が環境面から推進されているが、製造過程でのエネルギー消費を考えると環境面で最適とは言えないのではないか?
⇒ご指摘の点はもっともであり、トータルで考えなければならない。石油系燃料は枯渇するということを考えて、これからの自動車を開発する必要があり、電気自動車はその一つである。性能、生産、環境への影響等のあらゆる面から検討されるべきである。
以上
作成 角野章之