2023年7月度セミナー#243「恐竜は生き延びて鳥となった」
2023年 05月 21日第243回 科学技術者フォーラム(STF)セミナーのご案内
https://stf.or.jp/top/images/file/m553.pdf
「恐竜は生き延びて鳥となった」
元産業技術総合研究所 地質調査総合センター
理学博士 玉生 志郎 氏
恐竜は子どものみならず大人にとっても興味深い存在です。今回は産業技術総合研究所の地質標本館(地質に関する博物館)において、小学生から大人までの来館者の館内案内をされた経験があり、定年後はフリーな立場から、海外や国内の恐竜などの最新の研究成果に接してこられた玉生(たまにゅう)先生からお話をお伺いします。
1.日時:2023年7月22日(土)14:00~16:45
2.会場:品川区立総合区民会館(きゅりあん)4階第1特別講習室
JR大井町駅東口前 https://www.shinagawa-culture.or.jp/curian/access.html
☆ WEB(ZOOMオンライン)参加も可能です。
3.講演概要:
1) 映画「ジュラシックパーク」での恐竜像
多くの人は、ジュラシックパークの映画をみて、恐竜のイメージを膨らませている。しかし、映画で演出されたものは、必ずしも全てが科学的な成果を踏まえたものではない。たとえば化石のDNAを抽出して、恐竜を復元させるという話は実現不能な話だったが、我々に恐竜を身近に感じさせたという点では、特筆すべき作品ではあった。
2) 恐竜は巨大隕石の落下により絶滅した
恐竜が中生代白亜紀末期に絶滅した原因は諸説あったが、1970年代後半にメキシコのユカタン半島沖での石油探鉱で巨大隕石(または小惑星)が発見され、その年代が白亜紀末であることが確認された。この証拠は世界各地の白亜紀末の地層に、地球上ではわずかしか存在しないイリジウムが濃集した部分があることが発見され、恐竜を含む多くの生物(約7割と言われている)の絶滅の原因は、巨大隕石の落下により山火事、大津波に引き続き地球全体の寒冷化が生じて、多くの生物が絶滅したと考えられるようになった。
3) 羽毛恐竜の発見
1995年中国東北部で羽毛をもつ恐竜化石シノサウロプテリクスが発見された。現在では羽毛のある恐竜は20属以上見つかっている。この発見以前から、多くの古生物学者は比較解剖学の見地から、現生の鳥類を生きている恐竜と考えるようになり、絶滅した恐竜を「非鳥類恐竜」として区別していた。羽毛恐竜の発見が決定的な証拠となり、恐竜と鳥類の系統関係を考えるうえで、最も重要な発見となった。
4) 鳥は恐竜から進化した
東北大学の田村宏治教授らのグループは、「鳥は恐竜から進化した」論争に最終的な決着をつけた。それは以下のような進化発生学の研究である。2011年にScienceに発表され、その内容の概要がNatureダイジェストに掲載された。その記事から一部抜粋引用する。始祖鳥の化石が発見されて以来、「鳥類の祖先は恐竜」という仮説が提唱されてきた。現在では証拠が揃い、恐竜(獣脚類)から鳥類が進化してきたことは、多くの研究者に支持されている。しかし、鳥類と恐竜では「指の番号」が違う、という問題が残っていた。鳥類の前肢の場合は、恐竜と同じ1-2-3指という説がある一方で、恐竜とは異なる2-3-4指という説である。前者は、化石を研究する古生物学者から、後者は、生物の体がどのように作られていくかを研究する発生学者から提示されていた。今回の田村教授らの研究でニワトリも恐竜と同じ1-2-3指であることが証明された。
4.講師略歴:
1947年栃木県生まれ、1975年東北大学大学院理学研究科博士課程修了(理学博士)、
1976年通商産業省工業技術院地質調査所入所、1979年工業技術院サンシャイン計画推進室併任、1981年米国地質調査所在外研究員(1年)、1985-87 年新エネルギー総合開発機構地熱調査部第二課長出向(2年)、1988-96 年地質調査所地殻熱部課長、1996-98新技術事業団海外派遣研究員(ニュージーランド核科学研究所)出向(2年)、1998-2008 年産業技術総合研究所地圏資源環境研究部門、2004年国際協力機構委嘱(ブルガリア共和国地熱専門家)、
2008-12年産業技術総合研究所地質標本館シニアスタッフ、2013-16 年ライズ学園理科スタッフ、2015-現在 筑波山地域ジオパーク教育学術部会員。
【専門】 地質学(地熱資源、放射年代測定など)
【公的活動・学会活動】 1992-96年筑波大学連携大学院教授、1994-96, 98-2010年日本地熱学会評議員、2000-06年日本学術会議地質学研究連絡委員会委員、2002-04年日本地質学会評議員
【主な受賞歴】1976年日本地質学会研究奨励賞、1995 年度日本地熱学会論文賞受賞、 2017 年日本地熱学会功績賞。
5.参加申込の方法と参加費:
事前にPeatix(WEBチケット)でお求め下さい。当分の間、参加費を値下げします。
・ STF正会員(WEB参加): 500円
・ STF正会員(会場参加): 無料(要申込)
・友好団体会員/メンバー(会場/WEB): 1,000円
経営支援NPOクラブ、 サポート技術士センター、 次世代農業フォーラム、
シニアエキスパートフォーラム、 テクノメイトコープ、 BCC-NET、 表界研 など
・学生、当セミナー元講師(会場/WEB): 1,000円
・一 般(会場/WEB): 1,500円
【Peatixの利用法】 https://stf.or.jp/top/images/file/m517.pdf
上記URLを参照し、アカウント取得(登録)の手続きをした上でお申込み下さい。
なお、Peatixの利用ができない(or操作不明な)方は担当までご相談下さい。
6.参加申込の方法
・期限内に下記URLからお申し込みください。 会場「無料」参加のSTF正会員も同様です。
https://peatix.com/event/3588842/
・事前申込ない方の当日の会場(飛び込み)参加はできません。
・参加申込は、クレジットカード払いの場合、7月19日(水)23時、コンビニ/ATM (ゆうちょ銀行・ペイジーなど)払い〔手数料ご負担願います〕の場合、18日(火)で締め切ります。
・申込確認ができた方へは、順次受付メールを送ります。またZOOM ミーティングのURL、パスコード、手元資料等の案内は前日21日(金)までに事務局からメール配信されます。
・領収書の必要な方はコチラ⇒ https://stf.or.jp/top/images/file/m380.pdf
※ 講演中の画面撮影や録音などは、ご遠慮願います。
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NPO法人 科学技術者フォーラム(STF)https://stf.or.jp/
7月度セミナー担当 太田 哲夫
E-mail: futotetsu@gmail.com
Mobile: 080-5883-3000
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