*動脈硬化の発生メカニズム
炭水化物の摂取過剰により余剰のグルコースが肝臓、骨格筋にグリコーゲンとして貯蔵され、さらに余剰の糖質は脂肪酸に変換され脂肪細胞などに脂質として蓄積される。この状態が継続的になると、血糖値が増えて糖尿病となり、悪玉コレステロールが増えて脂質異常症などが発症する。これらは動脈硬化の原因となり、多くの合併症を引き起こす。
① 太い血管では、心筋梗塞・狭心症、大動脈瘤などの原因となる。
心筋梗塞・狭心症では、圧力センサー付きのガイドワイヤーを用いて冠動脈の狭窄部位の状況を確認、もしくはCTの心臓画像データから3D画像を取得し流体力学により解析し、血流の停滞が認められるとステントを入れる。ステントは血栓が出来難い形状が検討されている。
② 細い血管は動脈硬化により消失し、腎臓障害、神経障害、網膜症などの原因となる。
グルコースを尿中に捨てるSGLT2阻害剤は、動脈硬化の原因となる糖尿病を改善させるとともに腎臓障害も防止する。コレステロールが原料となる胆汁酸を体外に排出する便秘薬は血液中のコレステロールも低下させる。
*動脈硬化の予防
① 血管の炎症を防ぐ
禁煙、脂質・糖質を取り過ぎない。
② 体の免疫のバランスを保つ
適度な運動、バランスの良い食事、心因性のストレスを溜めない。
③ 偏食・生活習慣による特定栄養素失調(不足)とならない。
ヨードとチロシン(基礎代謝等に係る甲状腺ホルモンの原料)やビタミンD(免疫調整、抗炎症作用等)、ビタミンC(水溶性、抗酸化作用)などの生理作用について解説。