科学技術者フォーラムH30年11月度セミナー及び忘年会のお知らせ
2018年 10月 02日科学技術者フォーラム(STF)
平成30年11月度セミナー(第197回)& 望年会のご案内
ジオパークとチバニアン〜地域振興をめざして〜
茨城大学名誉教授
日本大学文理学部自然科学研究所 上席研究員
一般社団法人日本地質学会 理事・ジオパーク支援委員長
理学博士 天野 一男 氏
地球上のいたる所で発生している地震や火山活動、大雨などに伴う「自然災害」が注目されています。私たち人間は、地球が何千万年、何億年もの長い年月をかけて活動し造り出した大地(ジオ)の上で暮らしています。それぞれの地域に特有な景色を形成している大地の上に広がる動植物や生態系(エコ)の中で、私たち人間(ヒト)は特有な文化や産業などを築き歴史を育んできました。私たち人間の暮らしは、地球の活動なしには存在しえません。
ジオパークは、2015年に世界遺産同様のユネスコの正式プログラムとなり、上述した「ジオ」「エコ」「ヒト」の3要素の繋がりを楽しく知ることができるだけでなく、自然災害が発生した地域の特性や「地質災害」に関して社会と知識を共有するために役に立つといわれています。
本セミナーでは、地質学がご専門の茨城大学名誉教授の天野一男先生から、ジオパークの概要とジオパークによる地域振興について、そして最近注目されている「チバニアン」の学術的な意味についても分かりやすくご解説いただきます。
本セミナー終了後、同会場において、毎年恒例の科学技術の将来などについて語り合う「望年会」を開催いたしますので、皆さまお誘い合わせの上、是非ご参加ください。
1. 日 時:平成30年11月10日(土)
セミナー:14:00〜17:00、 望年会:17:15〜19:30
2.会 場:品川区立総合区民会館「きゅりあん」6F 大会議室
(JR大井町駅中央改札出て左直進、ヤマダ電機・住まいる館内を通り抜けた裏側)
地図:http://www.shinagawa-culture.or.jp/curian/
3.講演概要
ジオパークはヨーロッパで提案されたジオ(地質・地形など)を主な見どころとした「大地の公園」のことである。その目的は科学的に貴重で美しい自然遺産を保全するとともに、歴史的・文化的なものを含めて、それらを観光資源として地域の活性化や科学教育に活用することである。1997年にユネスコの正式プログラムへの提案がなされたが、否決された。その後、関係者の努力により2015年にユネスコの正式プログラムとなった。現在、日本にはユネスコに認定された9ヶ所のユネスコ世界ジオパークがあり、それらを含む43ヶ所の日本ジオパークが存在している。NPO法人日本ジオパークネットワークがこの国内ジオパークとジオパークをめざす地域のサポートを行っている。それぞれのジオパークは地域の自然遺産を活用しながら、地域振興をめざしてさまざまな活動を展開している。しかし、ジオパークの一般市民への認知度は低い。本講演では、ジオパークとは何か、ジオパークによる地域振興について分かりやすく解説する。
茨城県では、東日本大震災の被害からの立ち直りも念頭に県北地域の地域振興をめざして、「茨城県北ジオパーク」設立を申請し、2011年に日本ジオパークとして認定された。以後、事業を活発に展開してきたが、残念なことに2017年に認定を取り消された。全国のジオパークの中で茨城県北ジオパークは大学が事務局を担当する唯一のジオパークであったが、そのために発生した問題もあり、認定取り消しに至った。演者は茨城県北ジオパークの活動に積極的に関係してきたので、その経験をもとに、ジオパークによる地域振興の方法・課題について考察したい。
「チバニアン」は、マスコミで大々的に報道されたため、一般市民の関心を集めている。 一方、「チバニアン」が提案されている地域は、「古関東新海盆ジオパーク構想」として、将来ジオパークの認定をめざしている。しかし、その学術的な意味については、必ずしも理解されていない可能性がある。本講演では「チバニアン」の学術的意味についても解説する。
4. 演者略歴
・1949年 長野県松本市生まれ
・1979年 東北大学理学研究科地質学博士課程修了・理学博士
・1979年 茨城大学理学部に奉職
・1993年 同 教授
・2015年 茨城大学を停年退職・茨城大学名誉教授
<専門分野> 構造地質学、環境地質学
<主な著書>
・「はじめての地質学(編著)」(ベレ出版2017)
・「構造地質学」(共立出版2009)
・「海の百科事典(翻訳)」(柊風舎2008)
・「日本地方地質誌3 関東地方(編著)」(朝倉書店2008)
・「フィールドジオロジー入門」(共立出版2004)
・「国際層序ガイド−層序区分・用語法・手順へのガイド−(編集・翻訳)」(共立出版2001)
・「茨城の自然をたずねて(編著)」(築地書館1994)
など
5.参加費[セミナー&望年会](会場でお支払いください)
・科学技術者フォーラム(STF)正会員、学生 4,000円
・友好団体会員 4,000円
・一般 4,000円
※ 今回の参加費は、会員/非会員、望年会の参加の有無に拘らず一律です。
※ セミナー講演中の写真撮影などは、ご遠慮願います。
6.参加申込: 下記の申込書に記入して、セミナー担当の太田 哲夫 宛電子メール、またはFAXで
お申込み下さい
E-mail:futotetsu@gmail.com FAX: (186)048-922-7525
************ セミナー & 望年会 参加申し込み *************
<科学技術者フォーラム(STF)平成30年11月度セミナー(第196回)&望年会 参加申込書>
● お名前: (ふりかな: )
● 所属(会社,事務所、団体):
● メールアドレス:
● TEL: FAX:
● 参加区分:いずれかの括弧内に〇をつけ、友好団体会員の方は該当を〇で囲む。
( )科学技術者フォーラム(STF)正会員、学生
( )友好団体会員:BCC-NET会員、NPO-BIN会員、経営支援NPOクラブ会員、異普奇会会員、
生体環境保全交流会会員、千葉県加工技術研究会会員、表界研会員、ティー・エムレポート会員、BEST-JAPAN研究会、NPOエルダーシステム会員、その他の友好団体(名称: )
( )一般(紹介者: )
● 領収書の必要有無: 有 無(いずれか残す)