科学技術者フォーラムH30年3月度セミナー案内「ヒトの“いのち”と遺伝学的多様性についての理解に向けて」
2018年 02月 11日科学技術者フォーラム平成30年3月度セミナー(第189回)のご案内
「ヒトの“いのち”と遺伝学的多様性についての理解に向けて」
栃木県立衛生福祉大学校・非常勤講師
元・東京医科歯科大学 難治疾患研究所・助教授
理学博士 池内 達郎 氏
私たちの「血液型」や「瞼の二重/一重」などの身体の特徴が親から子に受け継がれる「遺伝」の仕組みを初めて明らかにしたのは、オーストリアの神父で植物学者のG.メンデルでした。
メンデルの法則がわが国に紹介されたときの訳語の中に「優性」「劣性」があります。それらは遺伝子の特徴の現われやすさを示すにすぎないのですが、「優れている」「劣っている」と誤解されることになり、差別や混乱を生じています。「血液型によって性格が異なる」とか「障害の有無や人種によって優劣がある」などを信じている人も少なくありません。
本セミナーでは、遺伝子やDNA、染色体などそれぞれの定義とともにその解析技術について、基本的なことをご説明いただいたうえで、「遺伝に関する最近のトピック」など専門的なことについてもわかりやすくお話いただきます。 ご興味のある方は、是非ご参加ください。
1.日時:平成30年 3月17日(土) 14:00 〜 16:50
講演終了後近くの会場で参加者の懇親を目的に懇親会を開催します。(19時頃まで)
2.会場:品川区立総合区民会館「きゅりあん」5F 第4講習室
(JR大井町駅中央改札出て左直進、ヤマダ電機店内を通り抜けた裏側)
地図:http://www.shinagawa-culture.or.jp/curian/
3.講演概要
G.メンデルが遺伝の法則を発表(1865年)してから150年、今や学問の成果がその世界にとどまらず、私たちの医療、健康、食の問題など日常生活に直接関わってくる時代を迎えています。21世紀はゲノムの時代ともいわれますが、人々の遺伝学分野におけるリテラシーは十分とは言えません。
本セミナーでは、1)遺伝学的に理解する「いのち」とは?、そして2)「いのち」の遺伝学的多様性、の2点に分けてお話したいと思います。1)では、それぞれ個々の「いのち」はこの広い宇宙空間の中で唯一のもので、全く偶然に生じたものであることを学習します。このことは、生殖細胞をつくる過程の減数分裂と、「いのち」の根源であるDNA・遺伝子の働きを知ることで、よく理解できます。DNA/遺伝子/染色体/ゲノムという類似用語の違いも解説し、遺伝学の世界を実感して頂きます。2)では、地球上に生息する生物種の多様性、そして同じ種内にも存在する多様性(個体差)は、元々遺伝子/DNAの分子レベルの違いに基づくものであることを学びます。とくに我々ヒトに見られる遺伝学的多様性の具体例をあげながら、一般的な遺伝形質(血液型や耳垢、色覚異常など)と疾患を伴う形質(遺伝病など)との間には本質的な違いはないことを示します。遺伝学的多様性を理解することは、私たちの健全な生命観、適正な社会観や世界観を養うことに繋がると思っています。
4.演者略歴
・ 1964年 北海道大学水産学部水産増殖学科卒業
・ 1972年 北海道大学大学院理学研究科博士課程(動物学専攻)修了(理学博士)
・ 1968年〜1971年 米国ニューヨーク州Roswel Park Memorial Institute 研究員
・ 1972年〜1973年 日本学術振興会奨励研究員
・ 1974年〜1975年 旭川医科大学助手(産婦人科学教室)
・ 1975年〜1979年 北海道大学理学部動物染色体研究施設助手
・ 1979年〜2007年 東京医科歯科大学難治疾患研究所助教授
この間、東京医科歯科大学医学部・歯学部、筑波大学大学院生物科学研究科、
東京大学理学部、お茶の水女子大学理学部、などで非常勤講師
・ 1997年〜2005年 日本学術会議遺伝学研究連絡会委員
・ 2007年〜 東京医科歯科大学大学院、早稲田大学教育学部、東京女子大学、聖母大学看護
学部、栃木県立衛生福祉大学校、近畿大学大学院総合理工学研究科、などで非
常勤講師
・ 2009年〜2013年 (財)染色体学会理事長
・ 2015年 日本人類遺伝学会名誉会員
<専門分野> 細胞遺伝学、人類遺伝学、腫瘍遺伝学
<主な著書>
1.「人間の遺伝学入門」(今泉洋子・編),培風館, 東京,1994.
2.「遺伝と疾患(岩波講座・現代医学の基礎9)」(香川靖雄,笹月健彦,編),岩波書店,2000.
3.「最新・臨床検査学講座 遺伝子・染色体検査学」(池内達郎,他,編著)、医歯薬出版,2015.
4.「遺伝単 遺伝学用語集 対訳付き」(日本遺伝学会 監・編),NTS社,2017.
他多数。いずれも分担執筆。
5.参加費 会場でお支払いください。
・科学技術者フォーラム(STF)正会員,女性、学生 1,000円
・BCC-NET会員、ティー・エムレポート会員、経営支援NPOクラブ会員、NPO-BIN会員、
異普奇会会員、生体環境保全交流会会員、千葉県加工技術研究会会員、表界研会員、
BEST-JAPAN研究会、NPOエルダーシステム、その他友好団体会員 1,500円
・一般 2,000 円
※ 講演中の写真撮影などは、ご遠慮願います。
6.参加申込: 下記の申込書に記入して、セミナー担当の 太田 哲夫 宛メール、またはSTF事務局へFAXでお申込みください。
E-mail:tetzohta@ab.auone-net.jp、 STF事務局FAX: 03-0843-1670
*************セミナー参加申し込み ***************
<科学技術者フォーラム(STF)平成30年 3月度セミナー(第189回)参加申込書>
●お名前: (ふりかな: )
●所属(会社,事務所、団体):
●メールアドレス:
●TEL: FAX:
●参加区分:
・科学技術者フォーラム(STF)正会員、学生 1,000円
・BCC―NET会員、NPO−BIN会員、ティー・エムレポート会員、経営支援NPOクラブ会員、異普奇会会員、生体環境保全交流会会員、千葉県加工技術研究会会員、表界研会員、
BEST-JAPAN研究会、NPOエルダーシステム、その他の友好団体 1,500円
・一般(紹介者: ) 2,000円
●懇親会:参加 不参加 (いずれか残す)
●領収書(講演会)の必要有無: 有 無 (いずれか残す)