科学技術者フォーラムH29年9月度見学会報告「コカ・コーラボトラーズジャパン(株)多摩工場」
2017年 10月 22日NPO法人 科学技術者フォーラム 平成29年9月度見学会報告(午後の部)
「コカ・コーラボトラーズジャパン(株)多摩工場」
1.見学日時:平成29年9月21日(木) 14時00分〜15時00分
2.見学先:コカ・コーラボトラーズジャパン(株)多摩工場(東京都東久留米市野火止1-2-9)
3.見学者:44名
4.応対者:コーポレート・コミュニケーション本部広報部
プラントツアーガイド 3名(樽本英子様および小澤沙羅様、岩浅遼子様)
5.見学の概要
見学者ガイダンス室で、人気の「コカ・コーラ」(ガラスボトル)や日本茶(「爽健美茶」、「綾鷹」)など、好みの飲料製品を試飲しながら、DVD上映と案内資料によって会社概要の説明があり、同室内での展示品の観覧・体験会の後、工場見学が実施された。
5.1. 会社概要の説明
1)「コカ・コーラ」の歴史
・コカ・コーラは、1886年、米国ジョージア州アトランタで誕生。
・アトランタの薬剤師J.S. ぺンバートン博士が独特のシロップを創生。
・「コカ・コーラ」の命名者は友人のロビンソン氏 (CocaColaロゴマークも同時に設定)。
・1915年、「コンツアーボトル」の誕生を機に米国内をはじめとして全世界に展開。
・現在、200以上の国々で毎日約19億杯以上も愛飲。
・日本へは大正時代から輸入販売。1957年から日本国内で製造開始。
・2017年4月、コカ・コーライーストジャパン(株)とコカ・コーラウェスウェストジャパン(株)を傘下におく持株会社コカ・コーラボトラーズジャパン(株)がスタート。
2)多摩工場の概要説明
・1963年5月竣工。敷地面積74,000? (東京ドーム6ケ分の広さ)。
・従業員数 約290名。24時間3交替制勤務(約100名毎)。
・3号機、5〜8号機が稼働(4号機は休止中)。
・3号機は瓶、5号機はボトル缶、6号機は小型PETボトルの飲料を生産。
・7、8号機は業務用の製品を生産 (レストラン・ファーストフード・イベント会場など)。
・工場から排出される廃水や廃棄物の適正な処理をはじめ、省エネルギーや資源の有効利用など環境に配慮した活動を積極的に進めている。
3) コカ・コーラの原料(7つ)とボトル
(1) 水、(2)炭酸ガス(二酸化炭素)、(3)糖類(果糖ぶどう糖液糖、砂糖)、(4)酸味料、
(5)香料、(6)カフェイン、(7)カラメル色素
・コカ・コーラは、オリジナルに調合した原液((4)(5)(6)(7)含む)に(3)糖類を加えたシロップを水と混ぜ、(2)炭酸ガス(二酸化炭素)を吸収させてつくられる。
・原料水は、いつでも、どこでも、同じ味同じ美味しさを味わえるよう、世界共通の規格のもとに地域や地勢によって異なる水をコカ・コーラ社製品の製造に適した一定の品質の水になるまで磨きあげている。
・コカ・コーラを象徴するボトルの形状は、暗闇で触っても「コカ・コーラ」とわかるように、カカオ豆をヒントにデザインされたもの。
・びんの色は、紫外線遮断効果とびんが砕けてもコカ・コーラのびんとわかるように薄い緑(ジョージア・グリーン)としている。
・びん製品は、現在、飲食店や宴会場などをメインに流通。
・コカ・コーラは「2℃」に冷やしたものが美味しい。
5.2.製造ラインの見学
・瓶製品、ボトル缶、小型PETボトルの各生産ラインを見学。
・各ライン前でビデオ説明を交えたご説明を受けた。
6.主な質疑応答
Q1:コーラを飲むとむし歯になったり、歯が溶けるといわれているが?
A1:むし歯の原因は食べ物残渣に含まれている糖類であり、コーラなどの清涼飲料水はすぐ飲み込まれ、口からなくなってしまう。酸性度の高い炭酸飲料はコーラに限らず、頻繁に飲んだり、比較的長い時間口の中に含んだりすると、歯が溶ける原因になることがある。
Q2:従業員290名で約100名ずつの3交替はやり繰りが厳しいのでは?
A2:生産品目の入れ替え、ラインの洗浄・殺菌、点検などいろいろな作業があるので、24時間同レベルの人員を配置している。
Q3:PETボトルの滅菌は?
A3:PETボトルは製造ラインで内製し、無菌室内で殺菌・洗浄したのち、無菌的に充填し、キャップ絞めをしている。
Q4:瓶の形状は「カカオ豆」でなく、「女性の体形」と聞いていたが?
A4:誤情報である。
※そのほかにも、多数の質問が飛び交い、懇切なお答えをいただいた。
7.感想と謝辞
自動化された生産ラインによる多品種の飲料生産、そして環境に配慮した取り組みは、さすがは世界の飲料メーカーをリードするトップメーカーだと感心しました。
ご多用の折での見学の受け入れと当日の懇切丁寧なご対応に深く感謝申し上げます。
以上
NPO法人 科学技術者フォーラム(STF)
報告者 太田 哲夫
監 修 古西 義正