科学技術者フォーラムH29年9月度見学会報告[大林組技術研究所]
2017年 10月 22日NPO法人 科学技術者フォーラム 平成29年9月度見学会報告(170921午前の部)
[大林組技術研究所]
1.見学日時:平成29年9月21日(木)10:00〜12:00
2.見学先:大林組技術研究所(所在地:東京都清瀬市下清戸4−640)
3.見学者:〜〜名
4.見学の概要:会議室で「東京スカイツリー建設」のビデオ視聴の後、技術研究所の概要説明、DVDによる技術研究所の紹介がなされ、その後に見学が実施された。
4.1 東京スカイツリーの説明
634mの東京スカイツリーは途中東日本大震災に見舞われたがそれにも耐え3年8ヶ月の短期間で2012年3月に完成した。この実現には当社が開発したBMI (Building Information Modeling) 管理ツールを使い、ナックルウォールを含む高度な耐震、制震、免振機構を採用した。東京墨田区の狭い敷地に建つタワー、周辺街作りにも貢献した。
4.2 株式会社大林組の説明
1892年創立。現在の従業員約8,500人(14,000人)、売上高約1.6兆円(2.5兆円)カッコは連結。最近の特徴ある主な建造物には、大阪城改修、フーバーダムバイパスプロジェクト、オーク表参道、ドバイメトロプロジェクト、東京スカイツリー、熊本城復興などがある。
4.3 大林組技術研究所の説明
1965年 清瀬の地に開設され、技術開発の中核となっている。多発する地震や風水害などの自然災害に対処すべく耐震を始めとする各種の防災対応技術の開発、低炭素社会を実現するための環境にやさしい建設材料・工法や快適な省エネ技術の開発を粘り強く推進している。また、先端的なAI、ICT、IoT技術を建設プロセスのみならず建物・インフラ事態に組み込むことによtって、設計から施行、維持管理に至る建設業の生産システムイノベーションに果敢に取り組んでいる。
4.4 研究所見学 3つのグループに分かれて以下の施設を見学した。
(1)本館テクノステーション:執務環境、環境配慮技術
スーパーアクティブ制震 ラピュタ2D
(2)ダイナミックス実験棟:三次元振動台、エネルギースマート化実証事業
(3)電磁環境実験棟:実験装置・研究内容紹介
(4)校内移動:火災工学実験棟―>構造実験棟―>ナックルウォール試験体
―>レドックスフロー電池
(5)オープンラボ2:自動搬送装置 模型/AI/IOT技術紹介
振動体験装置(ラピュタ制震床/熊本地震波 約1/5)
4.5 感想:西武池袋線の清瀬駅からバスで10分ほど行くと欅並木の道路沿いに突然白壁の近代的なビルが浮かび上がってくる。これが大林組技術研究所の本館テクノステーション。ビル自身が環境にやさしい建築材料・工法を使い、アクティブ制振装置(ラピュタ2D)も設置されており、中は200人程の研究員がオープンスペースで自由に活動できる省エネを意識した近代オフィス。自らが体験しながら新しい建築に取り組む姿勢が印象的であった。地震や火山、台風、豪雨、豪雪、など自然環境が厳しい日本ゆえより安全な防災対応技術が求められる。確立した技術は海外にも展開できるであろうから益々頑張って欲しいと思いました。
懇切丁寧なご案内、ご説明に対し深く感謝申し上げます。
NPO法人 科学技術者フォーラム(STF)
記録 : 山岸 任
監修 : 古西 義正