科学技術者フォーラムH28年4月度セミナー案内「不老長寿は可能か」
2016年 02月 09日科学技術者フォーラムH28年 4月度セミナー(第166回)のご案内
「不老長寿は可能か」
横浜市立大学 名誉教授・客員教授 鮎沢 大 氏
生命科学研究の発展により個体老化の主因は細胞の老化であることが明らかになりつつあり、不老長寿の実現のために、細胞老化の分子機構の解明と細胞老化の防止研究が重要となっています。
鮎沢先生はこのテーマを長年研究して来られ、細胞老化は持続的な細胞障害により起こり、種々の方法で細胞老化は防止できることを明らかになって来ています。
細胞老化を防ぐには、生体環境を清潔に保つことが最も肝要と考えられており、インド五千年の長寿の科学「アーユルヴェーダ」がその方法として検討されています。
先生は老化の原因と、老化の予防について説明して頂けると思います。
ほとんどの方が老化防止にはほとんどの方が興味を持たれていると思いますので、時間の余裕がある方は是非参加して下さい。
1.日時:平成28年 4月16日(土) 14:00 〜 16:50
講演終了後近くの会場で参加者の懇親を目的に懇親会開催します(19時頃まで)。
2.会場:品川区立総合区民会館「きゅりあん」5F第4講習室
(JR大井町駅中央改札出て左直進、ヤマダ電気裏側)
地図:http://www.shinagawa-culture.or.jp/curian/
3.講演要旨:
個体老化の主因は細胞の老化である。この結論は現代生命科学の手法を用いて明らかになりつつある。実際に、若いマウスと腹部を結合すれば、老化マウスは若返り、マウスから老化細胞を選択的に除去すれば老化の進行が遅くなることが報告されている。したがって、不老長寿の実現には、細胞老化の分子機構の解明と細胞老化の防止研究が重要となる。発表者は、上記のテーマを長年研究してきた。その結果、細胞老化は持続的な細胞障害によって起こること、また種々の方法で細胞老化は防止できることを明らかにした。
理想的な培養環境では、幹細胞は老化せず、体細胞の分裂能力はほぼ無尽蔵である。しかし、生体は理想的な環境ではなく、生体毒素や老廃物が絶えず発生し、それらの排泄が不完全であるために生体環境は汚濁し、細胞は本来の分裂能力の一部しか発揮できずに老化する。細胞の老化を防ぐためには、生体環境を清潔に保つことが最も肝要となる。インド五千年の長寿の科学「アーユルヴェーダ」は生体ゴミの生成を最小限に抑え、排出法を提供し、本来備わっている細胞の分裂能力(生命力)を最大化する学問といえる。
細胞はさまざまな障害を受けるとDNA複製を停止させる。この状態が長く続くと、細胞質タンパク質の過度な蓄積が起こり、細胞膨張と核膨張が起こる。次いで、老化形質と老化マーカーが誘発される。このとき、細胞質タンパク質合成をわずかに(増殖に影響しない)制限すると、細胞は老化せず、さらに老化細胞が増殖を再開することを発見した。モデル生物の線虫でも平均寿命と最大寿命が延長した。これらの研究は、細胞老化の抑制により個体老化の防止につながることを期待させる。さらに、老化細胞の若返りが見られたので、個体レベルでの若返りも現実味を帯びる。
アーユルヴェーダはバランス理論といってもよいだろう。生命機能の調和した状態は、毒物や老廃物の生成と排出が最適化された状態を意味する。このとき、細胞の分裂能力や病気の自然治癒力が維持される。アーユルヴェーダは膨大なハーブ製剤を用いる。その中心は多くのハーブを組み合わせた不老長寿レシピである。発表者は、美容健康に関する多くの伝統ハーブを科学的に検証し、効果的な美容増強あるいは不老長寿レシピを作成した。
4.略 歴
1977年 東京大学大学院博士課程農芸化学専攻修了
1977年 埼玉県立がんセンター研究所 研究員(1986年主任研究員)
1985年 英国王立癌研究所(ICRF) 訪問研究員
1988年 国立遺伝学研究所変異遺伝部 助教授
1989年 東京大学分子細胞生物学研究所分子情報部 助教授
1994年 横浜市立大学木原生物学研究所生物化学部門 教授
2006年 イチバンライフ株式会社(横浜&ダッカ)代表取締役
2009年 横浜市立大生命ナノシステム科学研究科不老長寿研究室 教授
2010年 Govt. Unani & Ayurvedic Medical College, Dhaka客員教授
2014年 横浜市立大学 名誉教授・客員教授
研究概要
大学院で分子生物学を学んだ後、埼玉がんセンターで制がん剤の作用機序を遺伝子レベルで研究した。国立遺伝研および東大分生研で、細胞老化と不死化の研究に着手し、横浜市大で細胞老化の分子機序を明らかにした。また、不老長寿の理論と実践研究に着手し、現在に到る。
原著論文:142編、著書・総説:155編
5.参加費 会場でお支払いください。
・科学技術者フォーラム(STF)正会員,学生 1,000円
・BCC-NET会員、ティー・エムレポート会員、経営支援NPOクラブ会員、NPO-BIN会員、
異普奇会会員、生体環境保全交流会会員、千葉県加工技術研究会会員、表界研会員、
BEST-JAPAN研究会、NPOエルダーシステム、その他友好団体会員 1,500円
・一般 2,000 円
*講演中の写真撮影などは、ご遠慮願います。
6.参加申込:下記の申込書に記入して、セミナー担当の碇 貴臣 宛メールまたはFAXでお申込み
ください。
TEL,FAX:04-7179-5280 E-mail:ik-3780@trust.ocn.ne.jp
*************セミナー参加申し込み ***************
<科学技術者フォーラム(STF)平成28年 4月度セミナー(第166回)参加申込書>
●お名前: (ふりかな: )
●所属(会社,事務所、団体):
●メールアドレス:
●TEL: FAX:
●参加区分:
・科学技術者フォーラム(STF)正会員、学生 1,000円
・BCC―NET会員、NPO−BIN会員、ティー・エムレポート会員、経営支援NPOクラブ会員、異普奇会会員、生体環境保全交流会会員、千葉県加工技術研究会会員、表界研会員、
BEST-JAPAN研究会、NPOエルダーシステム、その他の友好団体 1,500円
・一般(紹介者: ) 2,000円
●懇親会:参加 不参加 (いずれか残す)
●領収書(講演会)の必要有無: 有 無 (いずれか残す)