科学技術者フォーラムH27年12月度セミナー報告:「水の科学とその応用---不思議な水に迫る」
2016年 02月 01日H27年12月度(第162回) セミナー報告
「水の科学とその応用---不思議な水に迫る」
1.日時 :2015年12月25日(土) 14:00〜16:50
2.場所 :品川区立総合区民会館「きゅりあん」 5F
3.参加者:42名
4.題目 :「水の科学とその応用---不思議な水に迫る」
5.講演者:杉原科学技術研究所(横浜)・所長 杉原 淳 氏
<講演要旨>
生体中の水は体重の約70%、また血液中には約80%と言われているが、未知の部分が多い。またを、水は、マクロ的な見方と、ミクロ的な見方を一緒に見ているために難しくなっているとの指摘もった。
この講演では、水の基礎から、最近の研究成果を紹介して貰った。
また、特殊な水の応用の可能性についても説明して貰った。
<活性水とは>
●アルカリイオン水(PH9〜10)、水素水(電気分解ORアルカリ液を混合)、磁気水(2,5000〜3,0000ガウスの磁場で処理)、深層水(2,000m以下の海底より)、その他、がある。
●通常の水は水素結合により、分子同士が集まっているが、活性水は水素結合が壊れ、数分子になった状態と考えられる。水を20気圧以上に加圧すると、生体膜にある内径2Åの管状のアクアポリンという蛋白質を通り抜けられるようになる。また、水を2万5千ガウス以上の磁場で活性化しても同じ効果が得られる。
●活性水をNMRで確認すると、そのスペクトルの半値幅が狭くなり、水分子の凝集状態が小さいことを示し、アクアポリン蛋白質を通過する理由が判る。
<応用>
●20気圧以上の圧力をかけたペレットから射出成型して造られたABS樹脂に銅をメッキした板を、使用済みのテンプラ油に入れたところ、テンプラ油が新品に近い状態に戻った(和歌山の割烹料理屋)。また、車のエアフィルタに設置すると燃費が20〜30%アップしたり、鉛バッテリーの溶液にこの板を入れたところ、バッテリーは長寿命になった(これらは酸化還元反応である)。
●圧力をかけて作成された袋にシイタケを入れた所、新鮮さを長時間保つことが出来、事業化されている(西宮市・テクノワールド社)。
●スーパーホテルでは加圧水で、活性化されたパイプやジョイント部が各部屋へ行く水道管の途中に使用されていて、効果が出ている。
●半減期が30年の放射能で汚染した物質をこの水で処理をすると、半減期を短くすることが出来た。これは加圧水が持つ特殊な粒子(インフォトン=商標登録2008年杉原)がセシウムなど放射性物質の核へ入り、セシウムを非放射性物質、たとえばバリウム等に変換させる。それを短時間でできるので、半減期は約3ケ月に低減できる。放射線に対する対応は今後の課題。
Q&A
Q1:汚水の浄化方法。
A :一度圧力を加えた板はその後も何回も使用できる。上記の特殊な粒子が持つ情報がその板に転写されている、つまりその板は“付加価値”を持った板に変化したのだ。
Q2:放射線処理に対して、政府、行政の対応
A :汚染された土を削っているが、削った土に対しては未着手。また、この方法は採用されていない。
Q3:活性化した水で、人間自体の活性化
A :可能性はある。大きな可能性だ。なぜなら体内の細胞は60〜70%が水であり、また血液の80%は水であるから、ミネラルや酸素など供給されやすい。
また、この水は経皮性も良いので吸収されやすい。
Q4:因果関係、再現性
A :今後の課題。再現性はあるが、この特殊粒子を見つけることが今後の課題である。
Q5:原子力関連
A :使用は蹴られた。“前例が無い”“誰が責任を取る?”これらのことばで、3.11以後、永田町(環境省)、福島県、伊達市、二本松市などで話したが相手にされなかった。
Q6:水族館
A :まだ、使用されていない。しかし、水族館の水槽浄化、魚への良い影響は間違いないであろう。
以上
(記録者:碇)