科学技術者フォーラムH27年11月度セミナー案内「我が国の火山活動研究の現状と課題」
2015年 10月 20日科学技術者フォーラムH27年11月度セミナー(第161回)のご案内
「我が国の火山活動研究の現状と課題」
東京工業大学 火山流体研究センター教授 野上 健治 氏
http://www.ksvo.titech.ac.jp/jpn/index.html
日本列島は全長40000KMに及ぶ環太平洋火山体の一部であり、これまでも多くの火山噴火を起こし、重大な災害を発生し、全国的に火山活動の活発化が懸念されています。
このため、その監視観測は極めて重要となりますが、東京新聞9月28日の記事では、「噴火危険予測図の2割が未作成」との情報が記載され、課題も多くあるのも事実です。
今回は、本分野研究の第一人者である東京工業大学火山流体研究センターの野上教授をお招きし、火山活動の原理や火山観測研究の現状と課題につき詳しく解説いただきます。
ご興味のある方は、ぜひご参加ください。
1.日時:平成27年11月14日(土) 14:00 〜 16:50
講演終了後近くの会場で参加者の懇親を目的に懇親会開催する予定です。(19時頃まで)
2.会場:品川区立総合区民会館「きゅりあん」5F 第4講習室
(JR大井町駅中央改札出て左直進、ヤマダ電気裏側)
地図:http://www.shinagawa-culture.or.jp/curian/
3.講演要旨
日本列島とその周辺海域は、太平洋プレート、フィリピン海プレート,北米プレート、ユーラシアプレートの4つのプレートが鬩ぎあう、地球上でも有数の大変動帯に位置する。これらのプレートの沈み込みによって歪みがたまり、大地震が海域や内陸で繰り返し発生する。また、沈み込んだプレートは深部で高温となり、プレートの一部が溶融してマグマが発生する。日本列島は、総延長約40000 kmに及ぶ環太平洋火山帯の一部であり、世界的にも火山活動が活発な環境にある。
2003年に火山噴火予知連絡会が、概ね1万年以内に噴火した火山、もしくは現在噴気活動がある火山を活火山と定義している。現在、我が国には110の活火山があり、これは世界の活火山の約7%に相当する。地震活動は破壊を伴う瞬間的なエネルギーの放出であるが、火山活動は物質とエネルギーの持続的放出現象である。火山噴火は、マグマが直接的に噴火に関わるマグマ噴火と、間接的に関わる水蒸気爆発に大別される。微小地震の群発や地盤変動、火山ガスの組成変化などの前駆的現象は、マグマ噴火の場合には顕著であるのに対して、水蒸気爆発の場合は非常に微弱な事が多い。水蒸気爆発の予知が極めて困難であるとされるのはこのためである。水蒸気爆発が起こる火山は観光地化して人が集まる環境になっており、小規模噴火でも大きな災害になる可能性が高い。火山の近傍にも生産活動・消費活動の拠点となる大都市がある。従って、一度大規模な噴火が発生すれば、発達した高速鉄道・道路網は火山噴火の影響を避けられない。火山活動の継続的な観測・研究は防災上極めて重要である。また,活火山の約3割は海域に存在する火山島・海底火山である。海域での噴火は、海上・航空交通に多大な影響を与えるだけでなく、場合によっては領土・領海にまで影響が及ぶため、その監視観測は我が国にとって極めて重要なミッションである。
4.経 歴
岡山県出身。東京工業大学教授、理学博士。岡山大学理学部、岡山大学大学院理学研究科修士課程、東京工業大学大学院理工学研究科化学専攻博士課程を修了し、東工大の草津白根火山観測所(現火山流体研究センター)助手に。助教授、教授。間に東京大学地震研究所客員助教授、京都大学防災研究所非常勤講師。火山の化学的観測と分析、とくに水蒸気爆発予知、海底火山の専門家として知られる。論文多数。火山噴火予知連絡会の委員の1人。
5.参加費 会場でお支払いください。
・科学技術者フォーラム(STF)正会員,女性、学生 1,000円
・BCC-NET会員、ティー・エムレポート会員、経営支援NPOクラブ会員、NPO-BIN会員、
異普奇会会員、生体環境保全交流会会員、千葉県加工技術研究会会員、表界研会員、
BEST-JAPAN研究会、NPOエルダーシステム、その他友好団体会員 1,500円
・一般 2,000 円
*講演中の写真撮影などは、ご遠慮願います。
6.参加申込:下記の申込書に記入して、セミナー担当の児山 豊宛てメールまたはFAXでお申込みください。
TEL,FAX:03−3843−1670 E-mail:y.koyama@4306.bell-net.ne.jp
*************セミナー参加申し込み ***************
<科学技術者フォーラム(STF)平成27年11月度セミナー(第161回)参加申込書>
●お名前: (ふりかな: )
●所属(会社,事務所、団体):
●メールアドレス:
●TEL: FAX:
●参加区分:
・科学技術者フォーラム(STF)正会員、学生 1,000円
・BCC―NET会員、NPO−BIN会員、ティー・エムレポート会員、経営支援NPOクラブ会員、異普奇会会員、生体環境保全交流会会員、千葉県加工技術研究会会員、表界研会員、
BEST-JAPAN研究会、NPOエルダーシステム、その他の友好団体 1,500円
・一般(紹介者: ) 2,000円
●懇親会:参加 不参加 (いずれか残す)
●領収書(講演会)の必要有無: 有 無 (いずれか残す)