科学技術者フォーラムH27年10月度セミナー案内「福島第一原発汚染水処理で活躍する吸着繊維」
2015年 08月 29日科学技術者フォーラムH27年10月度セミナー(第160回)のご案内
「福島第一原発汚染水処理で活躍する吸着繊維」
千葉大学大学院 工学研究科 共生応用化学専攻 教授 斎藤 恭一氏 氏
http://chem.tf.chiba-u.jp/gacb02/marukyo/index.html
http://www.eng.chiba-u.jp/outProfile.tsv?no=1206
東日本大震災から4年半が過ぎようとしていますが、未曾有の被害を受けた福島第一原発の処理も遅々として進んでいません。今回は、原発で問題になっている汚染水の処理に、放射線物質吸着機能を持つ、放射線グラフト重合法による、高分子加工技術で開発された繊維による、現場適応の実例を交えてご講演いただきます。
人気漫画「ゴルゴ13」でも海水からウランを取り出す素材として、放射線グラフト重合法が紹介されています。斎藤先生から分かりやすく楽しいお話を交えてご紹介いただきます。
ご興味のある方は、ぜひご参加ください。
1.日時:平成27年10月 3日(土) 14:00 〜 16:50
講演終了後近くの会場で参加者の懇親を目的に懇親会開催する予定です。(19時頃まで)
2.会場:品川区立総合区民会館「きゅりあん」5F 第3講習室
(JR大井町駅中央改札出て左直進、ヤマダ電気裏側)
地図:http://www.shinagawa-culture.or.jp/curian/
3.講演要旨
東京電力?福島第一原子力発電所では,メルトダウンした核燃料(溶融燃料)の注水冷却が続いている。注水冷却に使用した水から逆浸透膜(RO)モジュールを使って淡水を製造し,注水冷却に循環使用している。循環している水に,毎日300トンの地下水が山側から原子炉建屋に流入し混ざるために,ROモジュールの濃縮側から,毎日300トンの汚染水(この汚染水をRO濃縮塩水と呼ぶ)が発生する。また,東電福島第一原発の1〜4号機取水口前の海水エリア(長さ400 m × 幅80 m × 深さ5 m)内に,原子炉建屋から漏出した汚染水
の一部が流れ込んで海水が汚染されている。さらに,原子炉建屋内の水位を調節するための建屋周囲に設置されている井戸(サブドレン)から汲み上げた水も汚染水の一つである。
RO濃縮塩水,港湾内汚染海水,あるいはサブドレン汚染水中の放射性物質を,吸着材を使って除去する作業が汚染水処理である。これら汚染水中の塩分濃度や放射性物質の組成はさまざまである。また,処理方式には,ポンプを使って吸着材充填装置に汚染水を流通させる方式と汚染水へ吸着材を直接投入後に回収する方式とがある。汚染水処理後には放射性物質を吸着した吸着材は放射性廃棄物として保管する必要があるので,減容できる吸着材であることが望ましい。
筆者の研究グループは,さまざまな汚染水の処理に融通がきく吸着材の形態として繊維に着目した。2011年3月のメルトダウン事故の直後から,市販の6-ナイロン繊維を出発材料(基材)にして放射線グラフト(接ぎ木)重合法を適用して,セシウムとストロンチウムの除去のための吸着繊維を?環境浄化研究所と共同開発してきた。サブドレンから汲み上げた汚染水の処理に吸着繊維フィルターが利用されている。また,港湾内汚染海水からの放射性セシウムやストロンチウムの除去に組み紐に成型した吸着繊維の利用が試験されている。このように吸着繊維の性能が認められ,現場への適用に至っている。セミナーでは,この吸着繊維の開発の経緯をお話しします。
4.経 歴
(1)略 歴
1953年 埼玉県生まれ。
1977年 早稲田大学理工学部応用化学科卒業。
1982年 東京大学大学院工学系研究科化学工学専攻博士課程修了。
そ の後,東京大学助手,講師,助教授。
1994年2月 千葉大学助教授。
2003年 千葉大学教授(大学院工学研究科共生応用化学専攻)。
(2)研究の内容
電子線グラフト重合法を適用して,分離や反応に役立つ高分子材料を開発
(3)著 書
1) 放射線グラフト重合法の専門書
「猫とグラフト重合」(丸善)
「グラフト重合のおいしいレシピ」(丸善)
「グラフト重合による高分子吸着材革命」(丸善)
2) 教科書
「道具としての微分方程式」(講談社ブルーバックス)
「なっとくする偏微分方程式」(講談社)
「なっとくする分析化学」(講談社)
「数学で学ぶ化学工学11話」(朝倉書店)
3) 理系の英語や日本語の本
「理系作文の六法全書」(みみずく舎)
「理系プレゼンの五輪書」(みみずく舎)
「理系のためのサバイバル英語入門」(講談社ブルーバックス)
「理系英語の道は一日にして成らず」(アルク)
「理系英語最強リーディング術」(アルク)
5.参加費 会場でお支払いください。
・科学技術者フォーラム(STF)正会員,女性、学生 1,000円
・BCC-NET会員、ティー・エムレポート会員、経営支援NPOクラブ会員、NPO-BIN会員、
異普奇会会員、生体環境保全交流会会員、千葉県加工技術研究会会員、表界研会員、
BEST-JAPAN研究会、NPOエルダーシステム、その他友好団体会員 1,500円
・一般 2,000 円
*講演中の写真撮影などは、ご遠慮願います。
6.参加申込:下記の申込書に記入して、セミナー担当の木村 茂雄 宛メールまたはFAXでお申込みください。
TEL,FAX:047-485-2465 E-mail:s_kimura_tqgj@yahoo.co.jp
*************セミナー参加申し込み ***************
<科学技術者フォーラム(STF)平成27年10月度セミナー(第160回)参加申込書>
●お名前: (ふりかな: )
●所属(会社,事務所、団体):
●メールアドレス:
●TEL: FAX:
●参加区分:
・科学技術者フォーラム(STF)正会員、学生 1,000円
・BCC―NET会員、NPO−BIN会員、ティー・エムレポート会員、経営支援NPOクラブ会員、異普奇会会員、生体環境保全交流会会員、千葉県加工技術研究会会員、表界研会員、
BEST-JAPAN研究会、NPOエルダーシステム、その他の友好団体 1,500円
・一般(紹介者: ) 2,000円
●懇親会:参加 不参加 (いずれか残す)
●領収書(講演会)の必要有無: 有 無 (いずれか残す)