H26年11月度セミナー案内「生体用金属材料開発・実用化と最先端金属3Dプリンタの紹介」(満席)
2014年 10月 10日科学技術者フォーラムH26年11月度セミナー(第149回)のご案内
「生体用金属材料開発・実用化と最先端金属3Dプリンタの紹介」
東北大学 金属材料研究所 教授 千葉 晶彦 氏
近年、医療機器産業の成長が期待されていますが、人工関節などの生体材料は、ほとんどが輸入で大幅な輸入超過となっており、大きな問題となっております。これらの生体用金属材料の国産化を目的に、これまで長年、本分野の研究開発に従事し、実用化に貢献している東北大学金属材料研究所教授 千葉晶彦氏をお招きし、本分野の経緯と現状および将来動向、更に、最近導入した最先端電子ビーム照射加熱金属3Dプリンタの紹介と解説をいただくことになりました。
皆様方のご参加をご期待いたします。
1.日時:平成26年 11月 18日(火) 14:00 〜 16:50
講演終了後近くの会場で講師を囲んで懇親会開催(19時頃まで)
2.会場:品川区立総合区民会館「きゅりあん」5F 第4講習室
(JR大井町駅中央改札出て左直進、ヤマダ電気裏側)
地図:http://www.shinagawa-culture.or.jp/curian/
3.講演要旨:
人工関節などの整形外科系インプラント製品は600億円を超える規模の国内市場が有るにもかかわらず、その8割以上は輸入品が用いられている。それに関連して、人工関節用合金素材も国内の素材メーカーからの調達が困難であり、ほとんどは輸入に頼っているのが現状である。本講演では、産学連携による研究開発事業により人工関節等の素材として使用するコバルトクロム合金を開発し、その合金を「COBARIONR」と商標登録を行い、現在国内の医療機器メーカーに人工股関節用素材として販売する事業化事例について紹介する。優れた力学特性を有するCOBARIONR合金の開発経緯とその特性について概説し、さらに医療用としての応用以外にも、一般産業用素材としての可能性についても言及する。
講演後半部では、最近とみに耳目を集めている、“3Dプリンター”に関する話題を提供する。3Dプリンターは金型を使用せず高精度の樹脂製部品を製造するネットシェイピング技術として広く普及しており、“革新技術”に対する興味の対象としても最近話題を集めている。それに比べ、金属粉末を用いた“3Dプリンター”はレーザーや電子ビームなどの高エネルギー熱源が必要であること、造形環境が真空や不活性ガス雰囲気など特別に制御された空間が必要となるために装置構成が高価となるなどの理由により普及が進んでいない。加えて、造形物の形状精度や材質に対する情報がほとんど得られないことから普及が妨げられているのが現状である。講演者は、電子ビームを熱源とする金属積層造形技術の開発に取り組んでいる。本講演では、医療分野や航空機・自動車産業分野に使用する金属材料部品のネットシェーピング技術としての“3Dプリンター”技術について概説する。
4.職歴と実績など
・主な職歴
昭和57年3月 東北大学工学部金属材料工学科卒業、東北金属工業?入社
昭和58年4月 東北金属工業?退社
昭和60年4月 ?日立製作所日立研究所入社
昭和62年7月 ?日立製作所日立研究所退社
昭和62年7月 岩手大学工学部金属工学科助手
平成 4 年4月 岩手大学工学部材料物性工学科助教授
平成18年11月〜現在 東北大学 金属材料研究所 教授
・賞 罰
平成5 年 第33回金属助成会研究奨励賞(原田研究奨励賞)
平成14年 日本金属学会功績賞
平成26年 日本金属学会学術功労賞
・主な研究
耐熱材料応用を目指して金属間化合物、特にNi3Alの高延性化に関する研究、IrAl基合金の高温強度に関する研究、水素を用いた粉末化に関する研究などを実施した。また、Co-Ni-Cr-Mo基の力学特性に関する研究では、高弾性・高強度特性に改善を行い、時計用の動力ぜんまいとして実用化を行った。生体用Co-Cr-Mo系合金の研究では、人工股関節用のコバルト合金の相変態、塑性変形挙動などを中心とした力学特性に関する研究、組織制御のための高温変形挙動などについて研究を行っている。人工関節材料の開発研究は岩手県釜石市において生体用コバルト合金などの特殊合金の事業化を行った。熱間加工に関する研究ではプロッセッシングマップを用いた高温変形挙動・組織予測技術として「インテリジェント鍛造」を提案し、各種実用合金への適用を進めている。さらに、2010年には電子ビーム積層造形(EBM)装置を我が国の公的機関として初めて導入し、生体用Co-Cr-Mo合金、Ni基超合金、チタン合金などを対象として、組織制御や力学特性に関する研究を行っている。
・所属学協会と活動状況
平成23年〜平成26年
CAD/CAM技術を応用した歯科補綴物に適する生体用コバルト合金圧延材の製造技術
の開発 研究推進委員会委員
平成24年〜 岩手大学客員教授
平成26年〜
技術研究組合 次世代3D積層造形技術総合開発機構(TRAFAM)理事
次世代型産業用3Dプリンタ技術開発プロジェクト(電子ビーム方式)リーダー
・その他活動状況
平成16〜18年度 都市エリア産学官連携促進事業(一般型)研究統括
平成19〜22年度 都市エリア産学官連携促進事業(発展型)研究統括
平成22〜24年度 地域イノベーションクラスタープログラム(グローバル型) 研究統括
平成23〜25年度 経済産業省戦略的基盤技術高度化支援事業
「CAD/CAM技術を応用した歯科補綴物に適する生体用コバルト合金圧延材の
製造技術の開発(財団法人いわて産業振興センター)」
総括研究代表者
・特許
「耐摩耗特性に優れる人工関節用Co-Cr-Mo合金」(特許第4843795号)他、多数
5.参加費 会場でお支払いください。
・科学技術者フォーラム(STF)正会員,女性、学生 1,000円
・BCC-NET会員、ティー・エムレポート会員、経営支援NPOクラブ会員、NPO-BIN会員、
異普奇会会員、生体環境保全交流会会員、千葉県加工技術研究会会員、表界研会員、
BEST-JAPAN研究会、その他友好団体会員 1,500円
・ 一般 2,000円
*講演中の写真撮影などは、ご遠慮願います。
6.参加申込:下記の申込書に記入して、セミナー担当の木村 芳一 宛メールまたはFAXでお申込みください。
TEL,FAX:045-301-2563 E-mail: yt.kimura@sea.plala.or.jp
************セミナー参加申し込み ***************
<科学技術者フォーラム(STF)平成26年 11月度セミナー(第149回)参加申込書>
●お名前: (ふりかな: )
●所属(会社,事務所、団体):
●メールアドレス:
●TEL: FAX:
●参加区分:(いずれか残す)
・科学技術者フォーラム(STF)正会員、女性、学生
・BCC―NET会員、NPO−BIN会員、ティー・エムレポート会員、経営支援NPOクラブ会員、異普奇会会員、生体環境保全交流会会員、千葉県加工技術研究会会員、表界研会員、BEST-JAPAN研究会、その他の友好団体
・一般(紹介者: )
●懇親会:参加 不参加 (いずれか残す)
●領収書(講演会)の必要有無: 有 無 (いずれか残す)