H26年9月度セミナー案内「生物に学ぶ機械工学のイノベーション:バイオミメティクス」—昆虫型飛行ロボットが可能なのか?—
2014年 06月 24日科学技術者フォーラムH26年 9月度セミナー(第147回)のご案内
「生物に学ぶ機械工学のイノベーション:バイオミメティクス」
— 昆虫型飛行ロボットが可能なのか? —
千葉大学 工学研究科人工システム科学専攻 機械系コース 教授 劉 浩 氏
http://www.em.eng.chiba-u.jp/~lab8/index_j.html
政府は、産業競争力会議で、成長戦略の改定版に、革新的なロボット開発を通じて新たな産業革命を起こす考えを盛り込むことにしました。ロボット開発を含むイノベーションの推進に向け、研究機関や大学、企業が研究開発組織を一体的に運営するための環境整備を打ち出す方針も決めました。
本セミナーでは、生物、特に昆虫の飛翔を模倣した、超小型ロボットにより、災害時の状況調査や救助などの開発の可能性になど将来展望などをご紹介いただく予定です。
ご興味のある方は、ぜひご参加ください。
1.日時:平成26年 9月 20日(土) 14:00 〜 16:50
講演終了後近くの会場で講師を囲んで懇親会開催(19時頃まで)
2.会場:品川区立総合区民会館「きゅりあん」5F 第3講習室
(JR大井町駅中央改札出て左直進、ヤマダ電気裏側)
地図:http://www.shinagawa-culture.or.jp/curian/
3.講演要旨
バイオミメティクス(Biomimetics:生物模倣)は、長い間自然淘汰を経て進化してきた生物のもつ優れた形態や構造、機能やシステムなどを模倣する新しいテクノロジーとして、省エネルギ・省資源型モノづくりに基づく持続可能な社会実現への技術革新と産業展開をもたらすものとして近年注目されている。2011年8月12日付のFinancial Timeオンライン版に”Inspired, naturally”と題する記事があり、「Biomimicry(Biomimeticsとほぼ同義の言葉)の分野は、米国では15年後3,000億ドルの国内総生産、そして2025年までは160万人の雇用をもたらす」という経済予測が紹介されており、バイオミメティクスは、経済活動のみならず環境問題解決の救世主として世界的な期待を担っているのである。その技術革新の例として、「紺系の新繊維への応用」、「モルフォチュの羽の構造の発足技術への応用」、「カワセミのくちばしの形の新幹線の空気抵抗低減への応用」、「サメ肌をヒントにする航空機の燃費向上」などがよく知られている。今後は新素材開発、エネルギや土木建築、ロボット工学や工業デザイン、暮らしや医療•健康などあらゆる産業に技術革新をもたらすことが期待されている。
機械工学の分野では、昆虫•鳥の飛翔や魚の遊泳を真似たロボットや、サメ肌の流体抵抗低減化やハコフグの形状を規範とした燃費のよいバイオニックカーなどが開発された。機械系バイオミメティクスの研究は、今後鉄道や船舶、航空機産業のみならず、新エネルギやエコ家電製品、マイクロマシンやMEMSなどの先端技術分野、そして次世代ロボティクス関連の技術革新や産業展開に大きな影響を与えることになるであろう。
本講演では、次世代バイオロボティクスの中でとくに注目度の高い昆虫規範型マイクロ飛行ロボットについて、著者が近年進めてきた生物羽ばたき飛行のメカニズムに関する風洞実験や大規模力学シミュレーションの研究により明らかにされつつある昆虫や鳥の形態や運動の優れた機能から、昆虫を規範とした超小型羽ばたきロボット(MAV: micro air vehicle)のバイオミメティクス技術の現状まで具体例を紹介するとともに生物規範型バイオロボティクス分野の今後の展望をも述べる。
4.経 歴
(1)略 歴
1992年 横浜国立大学大学院博士後期課程修了 博士(工学)
1992年 運輸省船舶技術研究所研究員
1993年 新技術事業団(現科学技術振興機構)研究員
1998年 名古屋工業大学助手
2000年 理化学研究所先任研究員
2002-2006 科学技術振興機構さきがけ研究員(兼任)
2003年 千葉大学工学部教授
2003年 理化学研究所客員主幹研究員(兼任)
2005年 千葉大学大学院工学研究科教授
2008 年 Visiting Chair Professor, Shanghai Jiao Tong University, China (兼任)
2009 年 Sir David Anderson Bequest Professor, University of Strathclyde, UK(兼任)
2011年 千葉大学•上海交通大学国際共同研究センター長(兼任)
(2)研究内容
機械工学、計算力学、バイオメカニクス、バイオミメティクス、生物飛翔・遊泳、小型飛
翔体、生理流体力学、循環系統合シミュレーション、予測医学、生物規範工学
(3)学会活動
米国物理学会(APS)、アメリカ航空宇宙学会(AIAA)、欧州生物学会(SEB)、日本機械学会、
日本医工学会、日本計算力学会
Editor-in-Chief of Journal of Aero Aqua Biomechanisms
Associate Editor of Biomimetics and Bioinspiration
Associate Editor of Acta Mechanica Sinica
Associate Editor of Journal of Bionics Engineering
5.参加費 会場でお支払いください。
・科学技術者フォーラム(STF)正会員,女性、学生 1,000円
・BCC-NET会員、ティー・エムレポート会員、経営支援NPOクラブ会員、NPO-BIN会員、
異普奇会会員、生体環境保全交流会会員、千葉県加工技術研究会会員、表界研会員、
BEST-JAPAN研究会、その他友好団体会員 1,500円
・一般 2,000 円
*講演中の写真撮影などは、ご遠慮願います。
6.参加申込:下記の申込書に記入して、セミナー担当の木村 茂雄 宛メールまたはFAXでお申込みください。
TEL,FAX:047-485-2465 E-mail:s_kimura_tqgj@yahoo.co.jp
*************セミナー参加申し込み ***************
<科学技術者フォーラム(STF)平成26年 9月度セミナー(第147回)参加申込書>
●お名前: (ふりかな: )
●所属(会社,事務所、団体):
●メールアドレス:
●TEL: FAX:
●参加区分:
・科学技術者フォーラム(STF)正会員、女性、学生 1,000円
・BCC―NET会員、NPO−BIN会員、ティー・エムレポート会員、経営支援NPOクラブ会員、異普奇会会員、生体環境保全交流会会員、千葉県加工技術研究会会員、表界研会員、
BEST-JAPAN研究会、その他の友好団体 1,500円
・一般(紹介者: ) 2,000円
●懇親会:参加 不参加 (いずれか残す)
●領収書(講演会)の必要有無: 有 無 (いずれか残す)