H26年3月度見学会報告2「株式会社 長府製作所 宇都宮工場」
2014年 05月 20日NPO法人 科学技術者フォーラム 2014年3月度見学会(午後の部)報告書
(公益社団法人 日本技術士会 栃木県支部との合同見学会)
1.見学日時:平成26年3月12日(水)(午後の部)13:30〜15:30
2.見学先:株式会社 長府製作所 宇都宮工場 (所在地:栃木県宇都宮市清原工業団地30)
(公益社団法人日本技術士会栃木県支部 菅井支部長殿のご紹介により実現)
3.参加者:46名 (科学技術者フォーラム41名+日本技術士会栃木県支部技術士5名との合同見学)
4.見学会次第:宇都宮工場 大会議室において、まず各見学者に同社カタログのファイルが配布され、下記のようにご挨拶等に引き続いて工場内を見学させて頂いた。
4−1.ご挨拶
(株)長府製作所 取締役 宇都宮工場長 中村修一様より、ご丁重な歓迎のご挨拶があった。
4−2.概要説明(宇都宮工場 総務課 下村課長)
1954年農機具メーカーとして設立、灯油式瞬間湯沸かし器を開発、1976年には松下電器からコンプレッサーの供給を受け家庭用ルームエアコンの製造を開始、その後、太陽熱温水器、システムバス、「エコキュート」「エコジョーズ」「エネファーム」などのエコ製品を中心に展開している。
宇都宮工場は1981年に清原工業団地に進出、敷地面積112,000m2、従業員273名、主力製品の石油給湯器を中心に年間で
約100億円製造。
また、工場の屋上に太陽光発電設備を設置、約1.2MWの発電能力があり、さらに1.4MW設備の増設を計画している。
主要エコ商品には、石油給湯器「エコフィール」、ガス給湯器「エコジョーズ」、ヒートポンプ給湯き「エコキュート」、などのバリエーションを揃えている。
4−3.工場見学(宇都宮工場 製造課 岩見課長):十数名ずつの4組に分けて工場内を見学。
1)システムバスパネル製造工程
全自動のプレス機で、型貫、ベンディング後、ホットプレスしながら断熱材(発泡ウレタン)を注入している、バスタブは外部で生産している。
2)石油給湯器製造工程
バーナーから一貫して生産している。バーナーは、全数燃焼試験して確認後出荷する。
給湯器缶体は、燃焼部、貯湯タンク部、風呂への追炊回路と合理的に配置され、燃焼熱の効率的な利用が工夫された、複雑な形状を、自動溶接機で効率的に生産していた。
缶体の気密性試験は、全数人の手で行っていた。
出荷前に、複数の安全装置の動作チェックを経て、梱包へと流れ作業を行っていたが、自動化が可能なところは自動化されており、少ない作業者で効率よく作られている感じがした。
3)メガソーラ設備
第二工場屋上のソーラ発電設備を見学。ソーラパネル面には、鳥の糞などの汚れの問題があるとのことであったが、見学前日までに強い雨が降った影響か、当日のソーラパネル表面は、比較的きれいであった。今後、効率よく発電するには維持管理が課題になろうとの見解であった。
現時点では、売電の方が購入より価格が高いので、発電した電力は全量売電している。
[感 想]:昼休みに工場に到着したが、事務所に入ると、社員全員が起立して迎えてくれていた。また見学会終了時にも全員起立でお見送りを受け、社員一丸となってのおもてなしの心に感銘した。
工場見学して、給湯器にもさまざまな熱源が用意されていることに驚いた。特に、販売台数は少ないとのことではあったが、灯油とマキの併用型の給湯器は、3年前の東日本大震災のような災害時にも対応可能で、今後の需要が見直されるべきだと感じた。
※末筆ながら、清原工業団地には大人数の見学者に対応できる昼食場所がなくて困っていた処、宇都宮工場の大会議室を昼食場所としてご提供頂いたご親切に対し、心から御礼申し上げたい。
NPO法人 科学技術者フォーラム(STF)
記録 : 木村 茂雄
監修 : 古西 義正