H26年3月度見学会報告1「カルビー株式会社 清原工場」
2014年 05月 20日NPO法人 科学技術者フォーラム 2014年3月度見学会(午前の部)報告書
・見学日:平成26年3月12日(水) 見学時間:10:30〜12:00
・見学先:カルビー株式会社 清原工場 (栃木県宇都宮市清原工業団地23-7 )
・参加者:41名
・応対者:下記3名の方々が付ききりで、会社概要説明、見学案内、質疑応答に応対して下さった。
酒井広 工場長、上野純子 主任(お客様サービス企画課)、羽藤公一 技術士(研究開発本部)
1.カルビー株式会社 及び 同社清原工場の概要
・カルビー株式会社は広島を発祥の地として、1949年設立。資本金 115.9億円、2013年3月の売上高1794.1億円、営業利益157.9億円(営業利益率 8.8%)、従業員数(連結) 6105人
・清原工場はシリアルの製造工場として、1989年設立。敷地面積32,000m2、従業員数 180人
かっぱえびせん(スナック)やフルーツグラノーラ・ブラウンシュガー・トッピングチョコ(シリアル)を
年間1億3千万袋を生産、生産高は150億円(スナック64億円、シリアル86億円)
・カルビーは東日本大震災の復興支援として、カゴメ株式会社及びロート株式会社とともに、「みちのく未来基金」を設立して被災地への寄付活動を続けている。
2.工場見学
・現在、工場は週7日稼動のフル生産の状態とのことである。設置している生産設備は現状では海外メーカの技術力を活用している。
・原料(穀物、フルーツ)の品質が製品の品質(味)を左右することから、工場長や課長自らが原料生産地へ行って、栽培及び管理状態を確認している。これがカルビーの品質保証の原点の1つになっているとのことである。
(1)かっぱえびせん製造工程
原料の小麦粉生地は他工場で生産し、清原工場で使用。生産工程は原料計量・投入(小麦粉、
えび、水、他)−混合 ―蒸練―圧延―成形―乾燥―焙煎―味付け―包装のラインである。
生産リードタイムは3日。
包装工程で26g、90g等に測定して袋詰めしており、計量の測定精度は±0.1gとのことである。
(2)フルーツグラノーラ製造工程
原料は12種類から成り、穀物(オーツ麦、ライ麦、玄米)が主でこれにフルーツ(いちご、りんご、パパイヤ、レーズン等)を混合して生産。生産工程は原料計量・投入―混合―シーティング―
オーブン(約200℃)―破砕―フルーツ混合―包装 の一貫自動ラインである。生産リードタイムは1時間程度である。
・同工場の見学者は、学校の社会見学が多く、小学生児童の見学も多い。年間の見学者数は千歳、清原、広島の3工場で3万人である。見学者には食品の楽しさを理解してもらっている。
3.質疑応答
(1)年間の広告費はいくら投入しているか
A:広告費は以前に比べて減少している。TVでの広告効果は低下しており、ネットでの広告が増加している。
(2)包装袋に「声をお聞かせ下さい」と記載し、消費者からの意見を収集しているが、今までどのような効果があったのか
A:例としてキーウイを使った製品でアレルギー発生するという意見があり、使用を止めた。
(3)販売している製品の賞味期限はどの程度か
A:味を保つための対策をしている。油の劣化が影響して味を落とすため、ポテトチップス(新宇都宮工場で生産)、かっぱえびせんは製造後4ヶ月である。
(4)カルビーとアヲハタはどんな関係にあるのか
A:コラボレーションしている。即ち、アヲハタさんのジャムとカルビーのシリアルを一緒に食べていただこうというコラボ企画を行い、食べ方の提案をしたり、同じ売り場で販売したりということをした。
アオハタさん以外でも、10年程前から、いろいろな会社とコラボ商品を販売している。
4.感想
生産工程を見学通路からしか見ることが出来なかったが、食品の品質確保、生産性向上はラインを構成する個々の設備に対して、その核となる衛生管理面を含む運転条件のモニタリング、保全体制が万全のように見受けられた。日常の工場運営の中でこれらの課題に着実に取り組んでおられると推察される。
5.謝辞
工場案内、質疑応答における丁寧なご回答、更に工場内でお会いした従業員の方々の明るい態度
にさわやかさを覚え、良い見学ができたと感謝いたします。
また、当日の急病欠席者に対しても、後日、パンフレットとお菓子をお送り頂いたカルビー様のお気
遣いに対し心よりの御礼を申し上げます。
以上
NPO法人 科学技術者フォーラム(STF)
記録 : 任田典平
監修 : 古西義正