H26年2月度セミナー報告「海産性機能性食品素材の機能性と有効性」〜マリンビタミンとDHA〜
2014年 03月 27日H26年2月度(第140回) セミナー報告「海産性機能性食品素材の機能性と有効性」〜マリンビタミンとDHA〜
1.日時 :2014年2月11日(火) 14:00〜16:45
2.場所 :品川区立総合区民会館「きゅりあん」 5F
3.参加者:講演34名
4.題目 :「海産性機能性食品素材の機能性と有効性」〜マリンビタミンとDHA〜
5.講演者: 東京海洋大学 特定事業「食の安全と機能(ヘルスフード科学)に関する研究」プロジェクト 特任教授 矢澤 一良 氏
<講演要旨>
毎日を健康で楽しく過ごすための食生活で参考になるお話が沢山お聞き出来ました。詳しい講演要旨は以下の当セミナーの案内をご参照ください。
http://www.stf.or.jp/top/news.php?SN=296&page=1&cate=cate01
●高齢化社会も迎えて考えざるを得ない加齢性認知機能低下や、社会環境、人間関係、大気汚染等によるストレス障害等考えざるを得ない環境に私たちは生活している。
⇒活性酸素が発生する原因は沢山有り、また多くの病気がある。抗酸化作用のあるものを食べよう!
●健康、疾病予防、QOLの向上のために、機能性食品を上手に取り込んで、快適生活を楽しむことが肝要。⇒マリンビタミン(海由来のビタミン”という意味、 栄養学でいうビタミンに限定せず、「ビタミンのように生理活性の高い、海由来のあらゆる有効成分」)の機能に注目し活用しよう!
●魚油成分のEPA(エイコサペンタエン酸)やDHA(ドコサヘキサエン酸)の研究のきっかけ:フグ毒はフグの腸内細菌が作る。同様にEPAやDHAも魚の腸内細菌が作るのではないかと考えた。船上で新鮮な蔵器を採取して研究を進めた。腸内最近の細胞膜に脂肪酸として存在する。遺伝子を同定しドクター論文となった。
・DHAはマグロの眼窩にある脂肪で固まらず眼を守る。魚の頭を集め、そこからDHAを搾油して製造している。
●EPA およびDHAの効能とヒト試験成績
・EPAは循環系疾患を予防し、DHAは脳機能や神経系疾患に有効。共に特定保健用食品。
・日本での魚食と病気との関係を調査⇒心臓病、認知症(全て、アルツハイマー)とも発症リスクが低減していた。
・EPAの大規模臨床試験⇒5年後に心筋梗塞や狭心症などの心臓病になる割合や心臓病や脳卒中を再発する割合を低下。
・アルツハイマー型老人性認知症の死亡例における海馬リン脂質の脂肪酸組成を比較したところ、10成分中8成分で有意に異なっていた。DHAは半分以下であった。
・DHA投与による認知症の改善:6ヶ月投与後、言語性知能検査(自分、時間、場所、作業、計算短時記憶など)での評価は、有意に改善。
・未熟児の母乳と粉乳での保育の子供の知能指数の調査から、乳児用粉ミルクにはDHAを添加することが推奨された。
●厚労省は2010年版食事摂取基準でEPA/DHAの摂取を推奨⇒食事でも、サプリでも良いから、一日500mgの摂取を矢澤先生は推奨。
●活性酸素消去と予防医学の観点からアスタキサンチンに注目
・サケの身やカニの甲羅の色素成分。サケの遡上パワーの源は何だろう?
・アスタキサンチンは高い抗酸化作用を持ち、紫外線や脂質過酸化反応から生体を防御する因子として働き、活性酸素から体を保護すると言われている。
・アスタキサンチン投与による持久力増強作用、眼精疲労改善効果はヒト試験で、抗肥満効果についてはマウスの試験で効果が確認された。
・ナンキョクオキアミは地球上最大のバイオマスであり、そのオイル成分は、オメガ3の脂肪酸が30%以上、リン脂質が40%以上で、アスタキサンチンが豊富。
⇒沢山食べましょう!
⇒身近な食べ方は佃煮、かき揚げ、卵焼き、焼き飯、大根葉と炒り煮など。
●食事バランスでは日本の文化?おやつ″に注目!!機能性おやつも利用すると良い。
以上
(記録者 後藤幸子)