H26年1月度セミナー案内「植え込み型補助人工心臓の進歩と日本における役割」
2013年 11月 13日 科学技術者フォーラムH26年1月度セミナー(第139回)のご案内
「植え込み型補助人工心臓の進歩と日本における役割」
東京大学重症心不全治療開発講座 特任研究員
東京都健康長寿医療センター 副院長 許 俊鋭 氏
末期心不全患者のための補助人工治療心臓治療手術は大きな進歩を遂げ、埋め込み型は小型化され耐久性が飛躍的に向上していいます。補助人工心臓はすでに国産化もされており、小型化・高耐久性化の点でも世界トップレベルの状態にあると言えます。
しかし、国内での使用については、残念ながら制度上での問題などで、市場が限定されており、メーカーでは売上確保が困難で、ビジネスとしては厳しい状況にあると言えます。
今回、長年この分野で、その普及や進展などに大きな貢献をしている東京都健康長寿医療センター 副院長 許 俊鋭 氏をお招きし、補助人工心臓の構造や特徴、歴史、現状と課題などについて詳しく解説いただきます。 皆様方のご参加を期待いたします。
1.日時:平成26年 1月 10日(金) 14:00 〜 16:45
講演終了後近くの会場で講師を囲んで懇親会開催(19時頃まで)
2.会場:品川区立総合区民会館「きゅりあん」5F第3講習室
(JR大井町駅中央改札出て左直進、ヤマダ電気裏側)
地図:http://www.shinagawa-culture.or.jp/curian/
3.講演要旨
過去30年間に補助人工心臓治療技術は著しい進歩を遂げ、世界の重症心不全治療戦略に新しい展開をもたらした。植込型補助人工心臓(植込型LVAD)は小型化するとともに耐久性は飛躍的に向上し、更に植込み手術の危険性と合併症を回避するために低侵襲植込み主手術の見通しも現実化している。
しかしながら、私たちは、まだ日本で末期心不全患者のためのLVAD治療の中で解決しなければならないいくつかの課題を持っています。現時点では、植込型LVADの適応は厳格に心臓移植(HTx)へのブリッジ使用(BTT=bridge to transplantation) に限られています。しかし、欧米先進国では10年以上前から心臓移植適応のない末期心不全患者に対するDestination Therapy(DT)の保険償還が始まっており、BTT症例は25%以下になっています。心臓移植の適応は平成25年2月までは60歳未満の患者に限られ、現在ようやく65歳未満に引き上げられました。日本では植込型LVADの適応がBTTに限られているため、植込型LVADを65歳以上の患者さんに用いることはできません。心臓移植が極端なドナー心不足のために米国(人口3憶1千万人)で年間2200例の心臓移植が実施されているのに対して日本(人口1億3千万人)では年間30例に満たず、心臓移植頻度は30分の1以下である。それが故に、植込型LVAD治療の普及が期待されているが、一部の医療関係者の無理解と高額な医療費がかかることから、DT導入は遅々として進んでいない。私たちは、極めて長期の心臓移植待機期間が小児心臓移植では予測されるにもかかわらず、小児の心臓移植BTT用の小児補助人工心臓を持っていません。欧米で用いられているBelrin Heart Excor 臨床治験が緒に就いたばかりです。日本における極端なドナー心不足のために心臓移植を必要とする患者さんに対する心臓移植代替治療としての植込型LVAD治療臨床導入の準備を早急に進める必要があります。
近い将来、ドナー心不足が深刻な日本においてこそDestination therapyが標準的な重症心不全治療として多くの患者さんの救命手段となることが予測される。
4.経 歴
1949年 5月1日大阪にて誕生
1974年 9月 東京大学卒業
10月 三井記念病院外科入局
1980年 3月 同心臓血管外科チーフレジデント
1981年 1月 ハーバード大学医学部研究員
1982年 6月 埼玉医科大学第一外科講師
1993年 1月 同助教授
1997年 8月 同教授、
2007年 4月 同名誉教授
2008年 5月 東京大学重症心不全治療開発講座特任教授
2011年 10月 東京都健康長寿医療センター副院長(東大特任教授兼任)
2013年 4月 東京大学重症心不全治療開発講座特任研究員
<役職>
・補助人工心臓治療関連学会協議会代表(2009〜)
・日本人工臓器学会元理事長
・日本心臓血管外科学会監事
・日本移植学会理事
・日本心臓血管麻酔学会理事
・日本心不全学会理事
・日本心臓移植研究会代表副幹事
5.参加費 会場でお支払いください。
・科学技術者フォーラム(STF)正会員,女性、学生 1,000円
・BCC−NET会員、ティー・エムレポート会員、経営支援NPOクラブ
会員、NPO−BIN会員、異普奇会会員、生体環境保全交流会会員、
千葉県加工技術研究会会員、表界研会員、その他友好団体会員 1,500円
・一般 2,000 円
*講演中の写真撮影などは、ご遠慮願います。
6.参加申込:下記の申込書に記入して、セミナー担当の児山 豊 宛メールまたは
FAXでお申込ください。
TEL,FAX:03-3843-1670 E-mail:y.koyama@4306.bell-net.ne.jp
*******セミナー参加申し込み *****************
<科学技術者フォーラム(STF)平成26年1月度セミナー(第139回)参加申込書>
●お名前: (ふりかな: )
●所属(会社,事務所、団体):
●メールアドレス:
●TEL: FAX:
●参加区分:(該当するものに○印をつけてください)
・科学技術者フォーラム(STF)正会員、女性、学生
・BCC―NET会員NPO−BIN会員、ティー・エムレポート会員、経営支援NPO
クラ ブ会員、異普奇会会員、生体環境保全交流会会員、千葉県加工技術研究会会員、
表界研会員、その他の友好団体
・一般(紹介者: )
●懇親会:参加 不参加 (いずれか残す)
●領収書(講演会)の必要有無: 有 無 (いずれか残す)