H24年6月度見学会報告「クリーンプラザふじみ」(ふじみ衛生組合)
2013年 08月 12日平成25年6月度 NPO法人科学技術者フォーラム見学会報告書(3)
見 学 先:「クリーンプラザふじみ」(ふじみ衛生組合)
(所在地:東京都調布市深大寺東町7-50-30)
見学日時:平成25年6月26日(水)15:00〜17:20
見学目的:最新の技術を導入した発電施設を有する都市型ごみ処理施設の見学
見学者数:47名
見学会概要:「クリーンプラザふじみ」の沿革と可燃ごみ共同処理施設建設経緯を中心に「クリーンプラ ザふじみ」について、DVDによって説明を聞き、その後3班に分かれて見学コースに従っ て施設を見学した。尚、併設のリサイクルセンター(資源ゴミ分別回収処理施設)については、 設備が見学ができる体制になってないため、DVDにより作業状況の説明があった。
1. 「クリーンプラザふじみ」の沿革
三鷹市の環境センターの老朽化と調布市の二枚橋衛生組合焼却施設の老朽化(平成19年3月稼働停止)が相まって、平成11年8月に両市による覚書を締結、平成18年可燃ごみ共同施設設置を決定、平成25年3月「クリーンプラザふじみ」が完成した。
運営管理は、ふじみ衛生組合(三鷹市と調布市が、可燃物を含めごみに関する共同処理事務を行うことを目的に組織した一部事務組合)が行うこととした。
2.「クリーンプラザふじみ」施設概要
最新の技術を導入して、三鷹市と調布市約40万人の市民の可燃ごみを安全・安心に処理し、国の基準より厳しい排ガス規制値を自主設定し、その上発生する熱エネルギーを活用して高効率の発電を行い、施設の内外での有効利用を図り、周辺環境や地球環境に配慮した施設であるという。
1)施 設
(1)敷地面積:26,289?
(2)ごみ処理施設棟:階数 地上5階、地下1階、構造 鉄筋コンクリート造、鉄骨造一部鉄骨鉄筋コン
クリート造。
(3)煙突:構造 鉄筋コンクリート造、高さ100m、幅10.05m(昼間、航空管制灯点灯をしな くてもよいように幅を高さの10分の1より少し大きくした。)
(4)焼 却 設 備
形 式:全連続燃焼式ストーカー炉 (常に850℃以上を保ち、ダイオキシン類の発生を抑制)
能 力:288トン/日(144トン/日×2炉)
受入れ・供給:ピット&クレーン方式
燃 焼 設 備 :JFE二回流式ハイパー火格子焼却炉
焼却炉排ガス熱利用:ボイラーで蒸気を発生させ、蒸気タービン発電機で発電。
発電能力 9,700kW 、売電収入 3.5億/年(予定)
排熱利用:場内給湯、場外温水供給
排ガス処理 :減温塔、苛性ソーダ吹込装置、乾式有害ガス除去装置、ろ過式集じん器、
脱硝反応塔
2)特 長
(1)ごみの完全燃焼−288トン/日(144トン/日X2炉)の処理能力のストーカ式焼却炉の自動燃焼
制御による完全燃焼。
(2)周辺環境に配慮した施設−発生する排ガス中の有害物質類を最新の処理技術によって除去、
臭気と騒音対策にも万全を期している。焼却灰はエコセメント施設で再利用。
(3)システムの自動化−コンピュータ制御によるシステムの自動化、効率の良い運転と省力省エネル
ギー化。
(4)焼却熱の有効利用−ボイラーと蒸気タービン発電機の設置による発電。余剰電力の売電。
場内給湯、場外温水供給。
<感想>
人口増加と生活の変化に伴うごみ処理問題は住民の意識改革が進んだとはいえ、まだまだ、どの自治体にとっても難問になっているのが現状であろう。処理施設建設費と敷地の問題、周辺の環境問題、焼却灰の処理などどれをとっても難問揃いである。特に都市自治体にとっては尚更のことである。そういう中にあって、「クリーンプラザふじみ」はまさしく、都市型ごみ処理施設といっていいであろう。しかも余熱を利用した発電はエネルギー問題を抱えた昨今のわが国においては、格好の施設である。ごみの質と量、発電量、焼却灰など個々には問題が残っていると思われるが、このような施設が今後、いろいろな地域で建設されていくことを望みたいと思う。
以上
報告者:地畑健吉
監 修:古西 義正(見学会責任者)