H25年7月度セミナー案内「医療ニーズに基づいた金属材料の生体機能化」
2013年 05月 20日科学技術者フォーラムH25年7月度セミナー(第133回)のご案内
「医療ニーズに基づいた金属材料の生体機能化」
東京医科歯科大学 生体材料工学研究所 所長 金属生体材料学分野 教授 塙 隆夫 氏
医療器具に用いられる金属材料としては、SUS、Co合金、やTi合金など多くの種類が
使用されており、その研究水準は国際的にも高いにも関わらず、体内埋め込み型の器具などは大幅な輸入超過となっています。このため、最近医工連携のもとに、新合金や新規表面処理などの研究開発が全国的に行われ、また、これらを用いた器具の国産化が進められております。
金属材料は、高強度で力学的信頼性がありますが、一方で生体適合性など多くの課題がありま
す。
今回、この分野の権威である東京医科歯科大学生体材料工学研究所の塙所長をお招きし、生体
材料、特に医療用金属材料の現状と課題及び、先生の研究内容について説明頂きます。
1.日時:平成25年7月3日(水)14時〜16時40分
講演終了後近くの会場で講師を囲んで懇親会開催(19時頃まで)
2.会場:品川区立総合区民会館「きゅりあん」4F特別講習室
(JR大井町駅中央改札出て左直進、ヤマダ電気裏側)
地図:http://www.shinagawa-culture.or.jp/curian/
3.講演要旨
金属材料は典型的な人工材料であり生体機能がないにもかかわらず、優れた強度と靭性から依然として多くの医療用デバイスに使用され、体内埋入型デバイス(インプラント)の約80%を占めている。ステント、クリップ、塞栓コイル、ガイドワイヤーなどの循環器系デバイス、人工関節、骨固定材、脊椎固定器具などの整形外科デバイス、歯科修復物、義歯床、歯科矯正用ワイヤー、歯科インプラントなどの歯科デバイス、診断・治療器具、医療器械の躯体として、金属材料は必須であり、これらの医療用デバイスでは、力学的信頼性の点から金属を他の材料で代用することはできない。
しかし、金属は人工材料であるが故に、生体適合性、生体機能性の面での課題が多い。そのため、 (1) 人工股関節のステム,カップ,歯科インプラントにおける骨形成,骨接合,(2) 歯科インプラント,矯正用インプラントアンカー,経皮デバイス,創外固定器のスクリューにおける軟組織接着,(3) ステントなど血液接触デバイスにおける血液適合性(抗血栓性),(4) すべてのインプラントデバイスにおけるバイオフィルム非形成といった性質を付与するために表面処理が必要になる。表面処理法は,一般にドライプロセスとウェットプロセスとに分類される.また,化学的接着と機械的嵌合のいずれを目的としたものかによる分類ができる.
一方、結晶構造に起因する性質については、合金組成、加工・熱処理プロセスによって、解決する必要がある。Zrは比強度が大きく、耐食性に優れ、細胞毒性が低く、磁化率が小さいことから、医療用材料として有望である。Tiのようにリン酸カルシウムを自発的に生成しないため、骨形成が必要な箇所に使用する場合には注意を要するが、カソード分極による電気化学的アルカリ処理やMAOによって骨形成能を付与することが可能になっている。また、Zr-Nb合金、Zr-Mo合金では、磁化率をTiの1/3以下に低減させることに成功しており、MRI対応合金としても有望である。
4.略歴
1981年 北海道大学工学部金属工学科卒業
1981年 北海道大学歯学部助手
1989年 歯学博士(北海道大学)
1993年 徳島大学歯学部助教授
1998年 博士(工学)(東北大学)
1998年 科学技術庁金属材料技術研究所 生体材料研究チームリーダー 組織改変により
2001年 物質・材料研究機構 生体材料研究センター副センター長
12004年 東京医科歯科大学生体材料工学研究所教授
2011年 東京医科歯科大学生体材料工学研究所所長
5.参加費 会場でお支払いください。
・科学技術者フォーラム(STF)正会員,女性、学生 1,000円
・BCC−NET会員、ティー・エムレポート会員、経営支援NPOクラブ
会員、NPO−BIN会員、異普奇会会員、生体環境保全交流会会員、
その他友好団体会員 1,500円
・一般 2,000 円
*講演中の写真撮影などは、ご遠慮願います。
6.参加申込:下記の申込書に記入して、セミナー担当の児山豊 宛メールまたは
FAXでお申込ください。
TEL,FAX:03−3847−8336 E-mail:y.koyama@4306.bell-net.ne.jp
*******セミナー参加申し込み *****************
<科学技術者フォーラム(STF)平成25年7月度セミナー(第133回)参加申込書>
●お名前: (ふりかな: )
●所属(会社,事務所、団体):
●メールアドレス:
●TEL: FAX:
●参加区分:科学技術者フォーラム(STF)正会員、女性、学生 1,000円
BCC―NET会員NPO−BIN会員、ティー・エムレポート会員、経営支援NPOクラブ会員、異普奇会会員、生体環境保全交流会会員、その他の友好団体
1,500円
一般(紹介者: ) 2,000円
●懇親会:参加 不参加 (いずれか残す)
●領収書(講演会)の必要有無: 有 無 (いずれか残す)