H25年6月セミナー案内「地熱エネルギー利用の現状・課題と今後の展開の可能性」
2013年 04月 16日科学技術者フォーラムH25年6月度セミナー(第132回)のご案内
「地熱エネルギー利用の現状・課題と今後の展開の可能性」
地熱情報研究所代表・九州大学名誉教授 江原幸雄 氏
日本は、化石燃料には乏しいが、火山国であるがゆえに地熱エネルギーには非常に恵まれています。しかしそれを利用するにはいろいろな問題が立ちはだかっているようで、現在に至るまで地熱発電は十分に実現されていません。日本にとって極めて有望な資源と思われますので、その問題を明確にし、それを解決するための対策を考える必要があります。この分野の第一人者として活躍されています江原様をお迎えし、詳細に解説していただきます。多数のご参加をお願い致します。
1.日時:平成25年6月8日(土)14時〜16時45分
講演終了後近くの会場で講師を囲んで懇親会開催(19時頃まで)
2.会場:品川区立総合区民会館「きゅりあん」5F第4講習室
(JR大井町駅中央改札出て左直進、ヤマダ電気裏側)
地図:http://www.shinagawa-culture.or.jp/curian/
3.講演要旨
火山国の我が国は地熱資源に恵まれ、おおよそ地下3km以浅に、発電量に換算して2000万kW以上のポテンシャルがあると推定され、アメリカ、インドネシアに次ぐ世界第3位の地熱資源大国である。しかしながら、現在までの開発量は約50万kW(世界第8位)とごく一部が利用されているに過ぎない。我が国は、資源量そして地熱発電技術も世界に誇るべきものを持っているが、残念ながら、我が国のエネルギー政策は、近年原発重視であり、地熱を含めた再生可能エネルギーを重要視してこなかった。このような政策的な背景のもとで、「発電コスト問題」、「国立公園問題」、「温泉問題」という3つの障壁を乗り超えることができず、世界各国が地熱発電を大きく伸ばす中で、我が国の地熱エネルギー利用は限定的なものに留まってきた。
しかしながら、東日本大震災とそれに引き続く福島第一原発事故はわが国のエネルギー政策を根本的に見直すことになり、再生可能エネルギー利用を促進させることは国民的合意になっている。このような中で、政府も豊かな資源があり、発電時のCO2排出が少なく、さらに、天候に左右されず1日24時間1年365日安定して発電できる地熱発電に力を入れてきており、国民の関心も高まっている。
2012年7月からの固定価格買取制度の施行は、地熱発電の事業性を大いに高めることから、現在、国内各地で地熱発電所建設のための調査が進んでいる。一方、小規模の温泉バイナリー発電も日本各地で始められつつある。国立公園内に有望資源の多くが存在し、一定の条件を満たせば国立公園特別地域(2・3種)内でも地熱発電所建設の門戸が開放されたが、環境省は依然厳しい姿勢であること、また、一部温泉関係者の地熱発電反対の活動も存在している。実は、これらの課題解決において、「段階的地熱開発に基づく持続可能な地熱発電技術」が貢献するところが大きく、我が国最大の大分県八丁原地熱発電所における実例を紹介し、今後の地熱発電の目指す方向を示す。
最後に、我が国地熱発電の将来的シナリオを紹介するが、「2050年地熱エネルギービジョン」では我が国の電力需要の10%以上をまかなうことを目指しているが、困難な課題を克服し、一歩一歩それに近づいて行きたいと考えている。
4.略歴
1974年 4月 北海道大学大学院理学研究科地球物理学専攻博士課程3年中退
1974年 5月 北海道大学理学部助手
1976年12月 九州大学工学部助手
1981年 4月 九州大学工学部助教授
(この間、1986年9月〜1987年9月、ニュージーランド オークランド大学地熱研究所客員研究員)
1990年11月 九州大学工学部教授(地熱工学)
2004年 4月 九州大学大学院工学研究院教授(地球熱システム学)
2012年 3月 九州大学定年退職
2012年 4月 九州大学名誉教授、NPO地熱情報研究所代表
2013年 4月 (独)石油天然ガス・金属鉱物資源機構 地熱資源開発専門部会/地熱技術評価部会 部会長
日本地熱学会会長(2006年〜2010年)
国際地熱協会(IGA)理事(2001年〜2007年)
新エネルギー・産業技術総合開発機構 地熱開発促進調査委員会委員長(2006年〜2010年)
5.参加費 会場でお支払いください。
・科学技術者フォーラム(STF)正会員,女性、学生 1,000円
・BCC−NET会員、ティー・エムレポート会員、経営支援NPOクラブ
会員、NPO−BIN会員、異普奇会会員、生体環境保全交流会会員、
その他友好団体会員 1,500円
・一般 2,000 円
*講演中の写真撮影などは、ご遠慮願います。
6.参加申込:下記の申込書に記入して、セミナー担当の木村芳一 宛メールまたは
FAXでお申込ください。
TEL,FAX:045-301-2563 E-mail:yt.kimura@sea.plala.or.jp
*******セミナー参加申し込み *****************
<科学技術者フォーラム(STF)平成25年6月度セミナー(第132回)参加申込書>
●お名前: (ふりかな: )
●所属(会社,事務所、団体):
●メールアドレス:
●TEL: FAX:
●参加区分:科学技術者フォーラム(STF)正会員、女性、学生、
BCC―NET会員NPO−BIN会員、ティー・エムレポート会員、
経営支援NPOクラブ会員、異普奇会会員、生体環境保全交流会会員、
その他の友好団体、一般(紹介者: )
●懇親会:参加 不参加 (いずれか残す)
●領収書(講演会)の必要有無: 有 無 (いずれか残す)