H25年2月度セミナー案内(第128回)「手で触れる大気圧・低温プラズマとその応用」
2012年 12月 25日科学技術者フォーラムH25年2月度セミナー(第128回)のご案内
「手で触れる大気圧・低温プラズマとその応用」
東京工業大学 大学院総合理工学研究科
創造エネルギー専攻 准教授 沖野 晃俊 氏
プラズマについては、核融合、溶解、溶接、半導体デバイスの製造プロセスなど多くの分野に使用されており、重要先端技術の1つになっております。
通常は、真空や高温状態でのプラズマの発生が行われておりましたが、近年、低温・大気プラズマの研究開発が世界的に行われ、その使いやすい特長を活用し、一部実用化が始まっており、今後、その応用が多岐にわたることが予測されます。今回、長年、低温・大気圧プラズマ技術とその応用研究に従事されている沖野先生に、プラズマ技術の基礎も含め、この分野について詳しく解説して頂きます。皆様方のご参加を期待いたします。
1.日時:平成25年2月16日(土)14時〜16時40分
講演終了後近くの会場で講師を囲んで懇親会開催(19時頃まで)
2.会場:品川区立総合区民会館「きゅりあん」5F第4講習室
(JR大井町駅中央改札出て左直進、ヤマダ電気裏側)
地図:http://www.shinagawa-culture.or.jp/curian/
3.講演要旨
プラズマは決して新しい技術ではなく,研究は100年以上,産業応用も50年以上の歴史を持っている。従来,プラズマは低気圧下で生成されてきた。例えば,蛍光灯の中は1/500気圧程度になっている。これは,低気圧下でプラズマが生成しやすい,つまり低コストで安定にプラズマが生成できるという,応用ではなくプラズマ生成の都合によるものであった。そんな中,今世紀に入った頃から急激に大気圧プラズマの研究と応用が注目されている。
大気圧よりも少し低い気圧,もしくは少し高い気圧であっても,容器や気圧調整の設備が必要となる。しかし,大気圧だけはそれらを必要としない。このため,大気圧プラズマには以下のようなメリットが生じる。
(1) 真空容器や吸排気設備を必要としないため,低コストである。
(2) ナノ粒子合成など,低気圧とは違った利用が期待できる。
(3) プラズマを処理対象物に直接照射できるため,連続処理が可能である。
(4) 真空容器に入れられない,自動車や飛行機などの大型物体や生体への照射が可能である。
(1)のコストの問題ももちろん重要であるが,(2)?(4)のような,これまでの低気圧プラズマでは不可能もしくは困難であった処理が実現できる意味は極めて大きい。
ここ数年の大気圧プラズマの急激な発展をもたらした,もう一つの大きな理由は,室温に近いプラズマを生成できる装置が開発された事である。従来の大気圧プラズマは一般的に熱プラズマと呼ばれ,3,000?20,000℃の高温であった。このため,従来の大気圧プラズマの応用は,燃焼では実現できないような高温を利用した廃棄物処理などが主であった。これに対し,放電波形等を工夫することで100℃以下といった低温の大気圧プラズマが生成できるようになってきた。これにより,プラズマを半導体,金属,セラミックスといった高融点の物質だけでなく,プラスチック,紙,繊維,生体などにも照射できるようになった。
このため,従来はプラズマとは無縁であった各種のプロセスや,表面処理等の分野へのプラズマ応用が可能となった。さらには,生体への直接照射といった医療分野への応用研究も始まっている。講演では,手でさわれる大気圧プラズマ装置および最新の応用例について紹介する。
4.略歴
1989年 大阪大学工学部応用物理学科卒業
1994年 東京工業大学原子核工学専攻博士後期課程修了 博士(工学)
同 年 東京工業大学工学部電気・電子工学科 助手
2001年? 東京工業大学大学院総合理工学研究科創造エネルギー専攻 准教授
2006年?2007年 UCLA化学工学・生命分子工学科 客員教授
2008年 株式会社プラズマコンセプト東京,2011年 プラズマファクトリー株式会社を起業
2011年? 神戸大学大学院医学研究科 客員准教授兼務
5.参加費 会場でお支払いください。
・科学技術者フォーラム(STF)正会員,女性、学生 1,000円
・BCC−NET会員、ティー・エムレポート会員、経営支援NPOクラブ
会員、NPO−BIN会員、異普奇会会員、生体環境保全交流会会員、
その他友好団体会員 1,500円
・一般 2,000 円
*講演中の写真撮影などは、ご遠慮願います。
6.参加申込:下記の申込書に記入して、セミナー担当の児山豊 宛メールまたは
FAXでお申込ください。
TEL,FAX:03−3847−8336 E-mail:y.koyama@4306.bell-net.ne.jp
*******セミナー参加申し込み *****************
<科学技術者フォーラム(STF)平成25年2月度セミナー(第128回)参加申込書>
●お名前: (ふりかな: )
●所属(会社,事務所、団体):
●メールアドレス:
●TEL: FAX:
●参加区分:科学技術者フォーラム(STF)正会員、女性、学生 1,000円
BCC―NET会員NPO−BIN会員、ティー・エムレポート会員、経営支援NPOクラブ会員、異普奇会会員、生体環境保全交流会会員、その他の友好団体
1,500円
一般(紹介者: ) 2,000円
●懇親会:参加 不参加 (いずれか残す)
●領収書(講演会)の必要有無: 有 無 (いずれか残す)