2023年12月度セミナー#248「唾液の免疫力と腸-唾液腺相関~全身の健康維持への歯科からのアプローチ~」
2023年 10月 25日 科学技術者フォーラム(STF) 2023年12月度セミナー(第248回)のご案内
https://stf.or.jp/top/images/file/m591.pdf
唾液の免疫力と腸-唾液腺相関
~全身の健康維持への歯科からのアプローチ~
神奈川歯科大学短期大学部 准教授
博士(歯学) 山本 裕子 氏
口の中を潤している唾液は、消化作用をはじめ、口腔内の傷や歯の脱灰の修復、微生物の侵入や感染を防ぐなど、さまざまな働きをしています。健康な成人では1.0~1.5Lの唾液が分泌されると言われていますが、疾病や加齢などで唾液の分泌量が減少すると口内の障害だけでなく、全身の健康に影響を及ぼすことが知られています。
本セミナーは「腸-唾液腺相関」の提唱者である神奈川歯科大学の山本裕子先生からお口と腸の免疫力と全身の健康に関するお話を伺います。
1.日時:2023年12月16日(土)14:00~16:45
2.会場:品川区総合区民センター(きゅりあん)4F 第1特別講習室
JR大井町駅東口前 https://www.shinagawa-culture.or.jp/curian/access.html
☆ WEB(ZOOMオンライン)参加も可能です。
3.講演概要:
現在の日本では高齢者における上気道感染症(かぜ症候群)悪化による肺炎が急増しており、その予防策の重要性が叫ばれています。上気道感染症の発症には、唾液中の抗菌物質の中でも免疫グロブリンA(Immunoglobulin A;IgA)の量が関わっているため、唾液中IgAを増加させることが、上気道感染症の抑制と肺炎予防につながる可能性は非常に高いと考えられます。
IgAは粘膜免疫の主役として、鼻・口・消化管の粘膜上皮を覆う粘液中に分泌され、外来微生物の侵入を阻止するだけでなく、常在細菌叢のバランスもとっています。IgAは腸管を中心に盛んに研究が行われており、食物繊維や特定の乳酸菌を摂取することで粘膜免疫が活性化し、腸管でIgAが増加することが明らかになっています。演者らは「食物繊維や乳酸菌を摂取し粘膜免疫が活性化することで、腸管だけでなく唾液中でもIgAが増加するのではないか」という仮説を立て、2011年から動物実験とヒト試験を開始しました。その結果、食物繊維や特定の乳酸菌を摂取することで唾液中IgAレベルが増加すること、唾液中IgAは大腸で産生された短鎖脂肪酸(難消化性糖類の最終代謝産物)が唾液腺に影響を与え増加している可能性があることを明らかにしました。
口から食べることは、エネルギーや栄養素を摂取するだけでなく、腸管免疫を活性化させ、さらに唾液腺に影響を与え唾液の質を向上し感染症予防につながる、という仕組みを、私達は「腸-唾液腺相関」と名付けました。今回の講演ではこの「腸-唾液腺相関」について、分かりやすくお話しさせていただきます。健全な口と唾液が全身の健康につながることを多くの方々に知っていただけましたら幸いです。
4。講師略歴:
東京都生まれ。法政大学経済学部経済学科、日本大学歯学部附属歯科衛生専門学校卒業。神奈川歯科大学大学院歯学研究科修了。博士(歯学)。(医)社団オリエント後藤歯科医院歯科衛生士を経て、現在に至る。
【専門分野】 大腸の代謝産物と唾液中抗菌物質の関係。
【主な協会等の活動】 日本食物繊維学会評議員、日本唾液ケア研究会理事。
【主な論文・著書】
・Effects of Diabetes and Voluntary Exercise on IgA Concentration and Polymeric Immunoglobulin Receptor Expression in the Submandibular Gland of Rats, Medicina, 59(4):789(2023)
・ Effect of High Fat and Fructo-Oligosaccharide Consumption on Immunoglobulin A in Saliva and Salivary Glands in Rats., Nutrients. 13(4): 1252(2021)
・「唾液による健康効果の最前線~技術と市場~」(分担)、シーエムシー出版(2021)
5.参加費:
事前にPeatix(WEBチケット)でお求め下さい。当分の間、参加費を値下げしています。
・ STF正会員(WEB参加): 500円
・ STF正会員(会場参加): 無料(要申込)
・友好団体会員/メンバー(会場/WEB): 1,000円
異普奇会、経営支援NPOクラブ、 サポート技術士センター、
次世代農業フォーラム、シニアエキスパートフォーラム(SEF)、
テクノメイトコープ(TMC)、 BCC-NET、表界研 など
・学生、当セミナー元講師:(会場/WEB): 1,000円
・一 般(会場/WEB): 1,500円
【Peatixの利用法】 https://stf.or.jp/top/images/file/m517.pdf
上記URLを参照し、アカウント取得(登録)の手続きをした上でお申込み下さい。
なお、Peatixの利用ができない(or操作不明な)方は担当までご相談下さい。
6.参加申込の方法
・ 期限内に下記URLからお申し込みください。 会場「無料」参加のSTF正会員も同様です。
https://peatix.com/event/3742976/
・ 事前申込ない方の当日の会場(飛び込み)参加はできません。
・ 参加申込は、クレジットカード払いの場合、12月13日(水)23時、コンビニ/ATM (ゆうちょ銀行・ペイジーなど)払い〔手数料ご負担願います〕の場合、12日(火)で締め切ります。
・ 申込確認ができた方へは、順次受付メールを送ります。またZOOM ミーティングのURL、パスコード、手元資料等の案内は前日15日(金)までに事務局からメール配信されます。
※ 講演中の画面撮影や録音などは、ご遠慮願います。
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NPO法人 科学技術者フォーラム(STF)
12月度セミナー担当 太田 哲夫
E-mail: futotetsu@gmail.com
Mobile: 080-5883-3000
URL : https://stf.or.jp/
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