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2018-08-27  【セミナー報告】
科学技術者フォーラムH30年7月度セミナー報告「EV用リチウムイオン電池の世界情勢とビジネス戦略」
2018-08-24  【セミナー報告】
科学技術者フォーラムH30年8月度セミナー報告「歯と全身の健康について」〜腸―唾液腺相関と口腔マイクロバイオーム
2018-08-23  【セミナー報告】
科学技術者フォーラムH30年3月度セミナー報告「ヒトの“いのち”と遺伝学的多様性についての理解に向けて」
2018-07-17  【セミナー報告】
科学技術者フォーラムH30年6月度セミナー報告「再エネ水素への期待と課題」・水素社会の実現を目指す意義は?
2018-05-17  【セミナー報告】
科学技術者フォーラムH30年5月度セミナー報告「フクシマ事故の実情と原子力の実態」
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登録日:2018-08-24 
科学技術者フォーラムH30年8月度セミナー報告「歯と全身の健康について」〜腸―唾液腺相関と口腔マイクロバイオーム
科学技術者フォーラムH30年8月度(第194回)セミナー報告

「歯と全身の健康について」〜腸―唾液腺相関と口腔マイクロバイオーム

日 時:2018年8月18日(土)14:00〜16:50
場 所:品川区立総合区民会館「きゅりあん」5F第4講習室
参加者:37名
題 目:「歯と全身の健康について」〜腸-唾液腺相関と口腔マイクロバイオーム
講演者:神奈川歯科大学 副学長、歯学研究科長、大学院環境病理学 教授 槻木 恵一氏

本セミナーでは口腔病理学がご専門の槻木先生から、口腔免疫の向上における唾液の意義を分かりやすくご解説いただくとともに、日常の口腔ケアの重要性や歯周病と全身の影響など身近な歯科の問題だけでなく、腸-唾液腺相関と口腔マイクロバイオームといった最先端のご研究についてもご紹介いただきました。

<講演要旨>
1.歯と全身の健康
・ 唾液は成人男子で1日1ℓ〜1.5ℓ分泌されており、加齢に伴い減少する。
・ 唾液には、表皮細胞成長因子、肝細胞増殖因子、血小板由来成長因子、線維芽細胞増殖因子などの多数の成長因子が含まれ、「百薬の長」と呼ばれる。
・ 唾液は単なる液体ではなく、消化作用のアミラーゼ、潤滑作用や粘膜保護作用のムチン、抗菌作用のIgA、ラクトフェリンなど多数の成分が含まれ、口腔の健康に重要。
・ 粘膜保護作用のあるムチンを含む唾液を意識的に飲むと上部消化管の健康に良い。
・ 免疫調節や抗菌・抗ウィルス活性等があるラクトフェリンは唾液腺で大量生産される。
・ 高齢者の死因の2位は誤飲性肺炎であり、口腔内の常在菌が関与している。
・ 唾液は適度に分泌されていることが口腔の健康に必要。唾液が少ないと感じたら「ドライマウス度チェック問診票」(http://drymouth-society.jp/)でチェックするとよい。
・ 唾液からは、虫歯のなりやすさ、歯周病の状態、HIV感染、喫煙歴、ガン診断、ストレス、大麻・覚醒剤の使用、疲労度などが検査(検知)できる。
・ 唾液検査は、非侵襲的、場所不問、複数回採取可能、自宅検査可能、経時的測定可能、血液代替可能などの特長があり、極めて有用性が高い。
・ 唾液の緩衝能の低い人や分泌量の少ない人は、虫歯予防の為に、就寝前1時間の糖分摂取を控えることや就寝前のきちんとしたブラッシングが重要である。
・ 歯周病は、歯の周りの骨が溶け歯がグラグラする、歯の周りに炎症が発生し出血する、また膿が出てくるなどの症状が特徴の疾患。
・ 歯周病罹患により、心疾患リスクは1.8~3倍高くなる。また歯周病者では、早産、糖尿病、認知症等の発症リスクの増加や症状悪化などが知られる。
・ 歯が存在し咀嚼することにより唾液の分泌を促すなど口腔機能の維持向上は脳や全身の健康につながる。今年度より「口腔機能低下症」が新たに歯科病名になった。
・ 唾液が正常に分泌され、歯やその周囲の組織が健康であることは、栄養も充分に取れ、楽しい食事ができ、長生きに繋がる。

2.腸-唾液腺相関と口腔マイクロバイオーム
・ 唾液に含まれる免疫グロブリンA(IgA)は1日50~100?分泌され、唾液や母乳、涙、鼻汁、腸の分泌液などに含まれウィルスや細菌から身を守る。
・ IgAは細菌、ウィルスと交差(反応)し粘膜への付着を防ぐ。
・ ニンニク、アスパラガス、ゴボウなどの難消化性糖類は腸内細菌バランスの改善や腸内細菌活性化の改善に役立つ。
・ 演者らは、ヨーグルトを摂取したヒト試験で唾液中のIgAが増加した介入試験で細菌叢が変動し、特に減少した細菌(種)の中には、病原性を示すものが認められたことから、唾液中のIgAの変動が、口腔マイクロバイオームに影響を及ぼしていることを明らかにした。
・ 最近、腸内常在菌と中枢神経機能との関連も注目され、“brain-gut-microbiota axis: 脳-腸-腸内細菌軸”という概念も提唱されている。
・ 演者らは、ラットを使用した実験で難消化性糖類の食物繊維摂取で、腸内のIgAの増加だけでなく、唾液中のIgAの増加を認めたことから、脳と腸は自律神経系や液性因子を介して密に関連していること、すなわち、腸-唾液腺相関の存在を報告した。
・ このメカニズムの詳細は検討中だが、食物繊維摂取で、腸内細菌の変動が生じ、短鎖脂肪酸の中でも酪酸の増加が重要な役割を果たすのではないかと考えている。特に酪酸レセプターのKOマウスでは、唾液腺炎が生じることから、酪酸が唾液腺内での免疫反応を調節しIgAの産生に関与しているようである。
・ 腸内細菌の起源は口腔細菌であるとの知見も積み重なっており、口腔マイクロバイオームは、単に口腔だけでなく全身の健康と関連していることが明らかとなった。
以上
松下 隆(文責)






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